出版社:学研
発行日:2010年6月
ページ数:286P
著者:桐野作人
定価:790円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「戦場を脱した島津軍のその後の運命は? 生き残った兵士の手記から「島津退き口」の実態をできるだけ詳細に描きつつ、島津義弘にとって関ケ原合戦にどんな意味があったかをとらえる。」
一次史料と著者自ら退却ルートを踏破することにより、文章自体に非常に重みが出ている。退き口の解説本としてはまず読んでほしい。
カテゴリー: 日本中世史(戦国期)
秀吉を襲った大地震 地震考古学で戦国史を読む
戦国武将100 家紋・旗・馬印FILE
一個人 2010年3月号 保存版特集 戦国武将入門
出版社:KKベストセラーズ
発行日:2010年1月26日
ページ数:160P
定価:680円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「勝つか負けるか、生きるか死ぬか。領土拡大、そして天下統一のために戦った戦国武将たち。『日本一の兵』と敵方までもが賞賛した真田幸村、茶や香に通じる文化人でもあった隻眼の勇将・伊達政宗の生き様は、時を超えて現代人を魅了する。大量の常備軍を備え鉄砲による革命的な戦をした織田信長、チーム体制で戦国最強の家臣団を作った武田信玄や、戦略を嫌いあくまで正攻法を好んだ上杉謙信の、智慧を尽くした合戦の裏側には、はたしてどんな事実が隠されていたのか?戦乱の世に命を掛けて信念を貫いた戦国武将たちの全貌に迫る。」
「入門」と冠しているものの、なかなか内容は充実しています。写真やイラストが豊富で目で楽しむ楽しさもありますね。
地図で読み解く戦国合戦の真実
出版社:小学館
発行日:2009年12月1日
ページ数:159P
監修:小和田哲男
定価:2,100円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「桶狭間の戦い、大坂の陣、上田合戦(第1次)といった、著名な14の戦いを取り上げ、古戦場の様子と合戦の経過を地図と写真を用いて詳述。合戦について学べる施設やゆかりの場所、合戦時の部隊編成表、戦国史年表なども掲載。」
合戦を紹介する本は多数これまでも発売されているが、数多くの合戦を紹介する本と本書は一線を画している。それは合戦ひとつひとつについて、現在の状況(遺構や石碑など)と比較して、当時の状況を浮き彫りにしようという姿勢によるものである。しかし、読んでみるとまだまだ掘り下げが甘いものもあり、まだまだ見るべきところは残っているぞ!と突っ込みたく記事もあるが、手軽に持ち運びができるところは評価できる。
戦国バサラ大名 天下を目指した戦国バサラ者50名!!
高城戦記 九州の関ヶ原はどのように戦われたか みやざき文庫54
出版社:鉱脈社
発行日:2008年5月
ページ数:182P
著者:山内正徳
定価:1,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「中世南九州における二大合戦、高城川合戦(耳川合戦)と高城合戦(根白坂の夜襲戦)が、この新納院高城でそのように行われたか。地元の地形などから見た合戦の様子などの記述は少ないように見受けられます。地元からみたこの二大合戦の戦況を、史料をもとに記述する。」
一年前に発行された大分県中世の郷土書ですが、こういう郷土書は学者が書く研究書とは違う視点も書かれていて興味深いですね。惜しいのはやはり宣伝力の弱さでしょうか。まだ一年しか経っていないのにほとんどのネット書店では売り切れ、さらに版元も売り切れ、それでも入手できた在庫の新書は2刷でしたので、地元ではそれなりに売れたようです。耳川合戦に興味ある方はおすすめです。