発行日:1976年7月30日
ページ数:74P
著者:松本勝二
定価:非売品 私家本
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「私は三十数年来、城に興味をいだいて、今日までに、日本の城と名のつく跡を見て廻って来たが、一宮の城跡碑ほど粗末にされているところを見たことはない。この城址碑は現在東京にある関氏当主の先代が、昭和十七年に建てられたものであるが土地がなかったというので、市道の一部に建てられたものである。今日までに一宮城をとりあげて、これを明らかにしようとする人のいなかったことは残念である。」
私家本であるが、郷土の歴史は地元の人の手で守られなければ伝えられないという思いを改めて持たせてくれる本である。
カテゴリー: 東海
吉田城シンポジウム報告 検証吉田城
発行:豊橋市教育委員会
発行日:2006年3月初版
ページ数:238P
編集:豊橋市美術博物館
定価:1,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、吉田城が今橋城として築城されてから五〇〇周年にあたる節目の年として、平成17年10月8・9日(土・日)に行われた、『吉田城築城五〇〇年記念 吉田城シンポジウム』の内容をもとに構成しています。シンポジウムの講師を務めていただいた気鋭の文献・城郭研究者の方々にお願いし、豊富な知識や広い視野をもとに、それぞれが得意とする分野について吉田城の城主や、城の文化財的な評価をご執筆いただきました。」
豊橋市美術博物館で販売されていたのですが、現在も残部があるかわかりません。吉田城を題材にいろいろな視点の論文が読めてとても興味深い本です。
正統派史家と郷土史家の対決 稲葉城・落城年代考
夢とロマンの松阪城ものがたり
編集・発行:松阪ライオンズクラブ
発行日:1994年3月
ページ数:179P+観光マップ
著者:服部哲雄、長束吉夫、本居宣長記念館
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「1993年度会長方針により本書を作ることになった。その動機は、松阪を訪れた人を松阪城へ案内した折、十分な説明が出来なかったという会長自身の体験から生まれたものである。蒲生氏郷が築城したことは松阪の人なら誰でも知っているはずである。しかし、築城に至る歴史や氏郷公が会津若松へ移封となり松阪を去ってから後の様子や、又城主は誰に引き継がれて行ったのか等、素朴な疑問がわいてきた。早速調べてみると昭和24年に『松阪の歴史』という立派な書物が松阪市教育委員会より出されており、その2年後には松阪市の手で発行された『松阪市勢要覧』があり、共に松阪の歴史が詳しく記述されている。読んでみると詳しいけれども、読み難い文字も使われたりしていて大変難しい。サッと目を通しただけでは理解出来るようなものでないことが分かった。誰にでも漫画を読むような気楽な気持で、しかも楽しく読めるようなものがあったらなあという思いを実現させようとしたのが本書である。」
白山を中心とする文化財(岐阜県) -文化財集中地区特別総合調査報告 第8集-
発行:文化庁
発行日:1970年1月
ページ数:250P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「文化財集中地区総合調査は、従来の各部門ごとの単独調査ないしはピックアップ・リサーチでは、かならずしも文化財の集中する地域の文化の特質、その実態を明らかにしえなかったので、昭和37年度より、その地域の文化財の分布、実態を総合的に把握し、その特質を解明するとともにそれら文化財の保存に資するための基礎調査として行われてきたものである。昭和44年度は、年次計画にしたがって岐阜県下の白山・高賀山地域の総合調査を5月23日から5月29日にわたって実施したが、この調査には文化財保護審議会の石田茂作委員が同行され、また岐阜県教育委員会の専門委員をはじめ委員会当局ならびに関係各位のご協力を得て多くの成果をあげることができた。白山地域の文化財の総体的把握は、明年度の石川県下の調査をまたなければならないが、とりあえず調査の詳細はこの報告書に記すとおりである。」
現在世界遺産登録を目指している白山に関する文化財の総合調査(おそらく最初のもの)の報告書。岐阜県・石川県・福井県と3冊刊行されたが、本書では岐阜地域の文化財調査をまとめている。本文はガリ版で手書きのまま複写印刷されています。非常に貴重な書籍ですが、偶然古書として入手しました。
第5回東海埋蔵文化財研究会 清洲 -職豊期の城と清洲- 資料編
第5回東海埋蔵文化財研究会 清洲 -職豊期の城と清洲- 研究報告編
遠州小山城史考
発行:靜岡教育出版社
発行日:1988年3月初版、1995年6月三版
ページ数:29P
著者:桐田幸昭
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「私が小山城のことを書き始めたのは昭和三十年『榛原郡坂部村史稿』で、吉田町の周辺の町村史を書く時は必ずこれに触れた。各種の文献や各地の史跡を調査している途中で『遠州小山城』の重要な役割に注目し、郷土史を書く者として一度はこれを整理したいと思っていた。たまたま昭和六十年より吉田町として小山城趾を整備することになり、六十二年九月十三日には天守閣型五層の大展望台が竣工した。そして毎日たくさんの参観者がここに見えられた。参観者の中には小山城史や城郭について知りたいと語る人も少なくなかった。そこで極めて通俗的であるが小山城趾を解説し、読者の皆様が既に持っておられる知識の整理に役立てばと思い、本書を執筆し歴史に興味を持つ方々の机上に送ることにした次第である。」
静岡県の小山の歴史に関する小冊子である。小冊子であるが郷土の方が調査されて書かれているのでなかなかに詳しい。まえがきから推測すると、表紙の写真が大展望台のようだ。この冊子もその大展望台で販売されていたものなのかもしれない。
古城測量図集 下巻
発行:日本古城友の会、城郭文庫
発行日:1983年11月初版
ページ数:66P
編集:伊賀中世城館調査会
定価:不明 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「昭和56年8月に伊賀北部に所在する城館121城の測量図を学究の資料や保存活動に活用されることを念願して『古城測量図集』上巻として発表したが、引き続き伊賀南部と隣接地である奈良県東山内地域の一部の測量が完了したので、『古城測量図集』下巻として日本古城友の会の好意で、ここに発刊した次第である。」
2500分の1または3000分の1の精度で地図上に城館の縄張を描いている。他に、上巻と別巻があるようだが、古い本なので入手は難しい。本書は偶然入手できて運が良かった。