発行・編集:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
発行日:2005年2月初版
ページ数:88P
定価:1,300円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「越前の長い歴史の中で、文化面でひときわ光彩を放ったのは、100余年の間、越前の首府として栄え、戦国大名朝倉氏5代が育んだ一乗谷文化でした。史跡一乗谷朝倉氏遺跡は、戦国城下町の実像の見える遺跡として全国的に著名となり、現在20万余の方々がここ一乗谷を来訪されています。そして、来館者から越前朝倉氏や一乗谷朝倉氏遺跡に関する最新の発掘調査・研究成果を盛り込んだ手頃な図録の要望が多くなってきました。そこで、今度、これらの要望に応えるべく平成10年度に京都と横浜で開催し、好評を得た巡回展図録のデザインを一新して刊行しました。」
一乗谷朝倉氏遺跡に関して知るには手頃な史料である。と言っても写真も豊富で解説も簡潔すぎることはない。一乗谷遺跡に関する一冊目としておすすめの一冊である。
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カテゴリー: 北陸
古文書が語る朝倉氏の歴史 第15回企画展
発行・編集:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
発行日:2006年7月初版
ページ数:110P
定価:1,300円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「古文書は過去の歴史を知るための基本的な資料で、当館としてもこれまでに県内外において鋭意資料の収集をはかってきたところです。そして、昨年はその成果として『朝倉氏五代の発給文書』を刊行しました。掲載史料は四七八点に及び、これまでにない充実した内容となりました。今回の展示は、その成果を受けて企画したものです。朝倉氏は最後、織田信長や一向一揆によって滅ぼされたため、まとまって伝世された資料はほとんどありません。しかし、朝倉氏が領国越前の寺社や在地に宛てて出した文書、京都の幕府や大寺社とやり取りした文書は、多くの所蔵者に分散して残っております。これらの文書はこれまでの軍記物などによる固定した朝倉氏のイメージを根本的に書き替える重要な史料です。今回の展示では、こうした朝倉氏の歴史を物語る古文書を中心とし、あわせて朝倉氏ゆかりの文書や出土品を展示し、一乗谷朝倉氏遺跡に対する理解を深めていただこうとするものです。」
本書は福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館第15回企画展「古文書が語る朝倉氏の歴史」(会期平成18年7月21日~9月3日)の展示図録です。展示品は鮮明なカラー写真です。簡潔な解説文が付いていますが、もとは「朝倉氏五代の発給文書」の発行を記念した企画展なので、一緒の購入をおすすめします。
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朝倉氏五代の発給文書 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館古文書調査資料Ⅰ
発行・編集:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
発行日:2004年3月初版
ページ数:253P
定価:2,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「このたび当資料館ではこれまでの古文書調査で鋭意収集してきました越前・朝倉氏歴代当主五代の発給文書を集成し、『福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館古文書調査資料Ⅰ』として『朝倉氏五代の発給文書』を刊行することになりました。収録した史料は歴代当主の直状・奉書・書状、家臣の副状・奉書、奉公人連署奉書、連署状、その他朝倉氏の意思を伝える良質の文書を取り上げました。掲載した史料の総点数は四七八点に及び、これまでにない充実した内容となっています。また、それぞれに本文の他に、読み下し文と簡潔な解説を付し利用者の便をはかりました。」
朝倉氏研究の第一級史料です。現物の史料もモノクロなので、カラーで見たい方は第15回企画展図録「古文書が語る朝倉氏の歴史」も一緒に購入すればよいでしょう。
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福井城舎人門遺構復原整備事業報告書
発行:福井市
発行日:2005年3月初版
ページ数:152P
編集:国京克己/建築設計工房
定価:1,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
本書は、平成13年度から平成15年度までの3年間にわたって、福井市立郷土歴史博物館の屋外展示施設として福井市が復原整備した福井城舎人門遺構復原整備事業の報告書である。事業計画から事業経過、工事作業、舎人門に関する絵図や図面、設計図、写真まで一冊で本復原事業のすべてを収録する。舎人門だけではなく福井城に存在した門に関する考察も掲載されているので、福井城の研究をする方にはおすすめです。
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福井藩祖 結城秀康 平成19年春季特別陳列
発行・編集:福井市立郷土歴史博物館
発行日:2007年5月初版
ページ数:53P
定価:600円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「2007年は福井藩祖結城秀康の没後400年にあたります。秀康は、豊臣秀吉や徳川家康などによって天下統一がなされた時代に生きた武将であり、初代福井藩主として福井が発展する礎を築きました。秀康は天正2年(1574)に徳川家康の二男として誕生しましたが、同12年の小牧・長久手の戦いの後に羽柴(豊臣)秀吉の養子となり、さらに同18年に結城晴朝の養子となりました。そのため徳川家を継いで江戸幕府の将軍になることができませんでした。当展では、結城秀康に関わる古文書や記録、遺品など40点余の資料を展観して秀康の生涯や事績を紹介するとともに、その遺徳を偲びたいと思います。」
平成19年春季展示の図録です。城郭関係資料としては、「結城御城之図」「北庄城御天守絵図」「北庄城城郭図」の3点が掲載されている。掲載された写真は大きくはないが、鮮明な印刷である。
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なるほど福井の江戸時代 忍者ヒストくんのなぞとき巻物
発行:福井市立郷土歴史博物館
発行日:2004年7月初版
ページ数:48P
定価:300円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
子供向けの福井城の案内書だが、写真も豊富なので一冊どうぞ。
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丸岡城の昔と今
発行:丸岡町長 高倉忠
発行日:1979年10月初版、1991年3月改訂版
ページ数:34P
編集:伊東尚一
定価:700円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
丸岡城の歴史を簡潔なかたちでまとめてあります。丸岡城の歴史の入門書的な位置付けができるでしょう。作成された時代的なものか写真はすべてモノクロです。丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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丸岡城略史
発行:丸岡城下を考える会
発行日:1991年10月初版、1999年3月改訂版
ページ数:233P
編集:大谷英仙
定価:1,500円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
元亀元年(1570)から平成3年(1991)までの丸岡の出来事を全国の出来事と並列して年表としてまとめたもの。参考資料に「丸岡城略史」(丸岡五徳会、昭和63年刊)と同名の書籍があるが内容が同一のものかまでは不明です。本書は、丸岡城の研究の補助史料として使うことができます。丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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越前丸岡の民話と伝説
発行:築城四百年記念祭実行委員会
発行日:1975年3月初版、1998年9月第5版
ページ数:68P
編集:岩崎新之助
定価:600円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「丸岡町・・・私達の住んで居る丸岡町は、どの地方より誇る事の出来る沢山の文化財を持ち、日本で一番古い丸岡城天守閣を始めとし六呂瀬古墳、豊原三千坊、千古の家と千有余年の長い歴史があります。このたび築城四百年を期して、この跡を温める一助にと『越前丸岡の伝説・民話集』を広く紹介するにあたり、村々の古老の物語を取り調べてここに書き述べました。」
丸岡町(現在は坂井市)の民話と伝説を収録したもの。昭和50年に収集されたものなので、現在は失われているものもあるでしょう。本書は丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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福井市史 資料編別巻 絵図・地図
発行・編集:福井市
発行日:1889年3月初版
ページ数:268P+付録2枚
定価:8,250円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「複製技術や印刷文化が格段の進歩をとげた今日においても、ときには畳数枚分もの大きさに及んで写真撮影はもちろんのこと、全体を見ることすら容易でない絵図資料は、文書資料の活字化の場合とは異なる多くの複製上の困難をはらんでいる。事実、史料探訪の折に興味深い絵図(そのほとんどは彩色されている)にめぐりあっても、それらが資料として利用されうるような形で複写・撮影されるのは、まれな例に属するというのが現状である。現在各地で盛んに刊行されている歴史資料集のなかにも絵図資料を集めて一巻を編むといった例がきわめて少ないのは、この間の事業を反映したものであろう。こうしたなかで本書は、私たちの住む福井市域の歴史にかかわる絵図・地図資料を集め、まとめてみようとする一つの試みであり、数多くの人たちの種々の協力に支えられて成ったものである。もとより資料は現物を見るにしくはない。しかしこうした試みがなければ、貴重な絵図資料はいつまでも小さな限られた世界にとどまり続けるであろう。」
市史に絵図編を置くのは最近では珍しくなくなったが、それでも数は限られる。そんな中で先鞭を付けた一冊が本書であるが、初期の印刷技術はまだまだ拙く大きな絵図は文字を読み取れるほどの鮮明さはない。撮り直して再販していただけるとうれしいのだが、まだすべて市史が完結していない今は無理な話か。絵図と解説がセットになっているのでゆっくりと眺めてみたい一冊である。
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