編集・発行:北陸中世考古学研究会
発行日:2003年11月22日
ページ数:196P
定価:2,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「北陸地方では城館とその周辺の様相が明らかになっている例はまだ少ないが、一部の遺跡では長期間にわたる発掘調査の結果、単体の居館跡ではなく、周辺に同時期の遺跡を伴う例が、確実に増加している。そこで主に室町期以降の城館と、その外側で館と一体となって立地する遺跡を類型化することにより、館の中と外の空間利用のあり方を分析する。
戦国期に定型化する山城・武家屋敷・町屋のいわゆる戦国期城下町、近世に入り再編される城郭・武家屋敷・町屋の近世城下町の事例を整理し、前段階からの流れを踏まえて居館を中心とした都市遺跡の発展・北陸地方での地域性を究明する。城下町の調査は、一乗谷朝倉氏遺跡を除けば、発掘調査によって全体像が明らかになった例はないため、同遺跡の成果に学びつつ、考古資料だけでなく、文献、絵図、地割り研究も取り入れて多角的に検討する。」
2003年11月22日・23日に新潟県上越市埋蔵文化財センターで開催された北陸中世考古学研究会の記録集。発掘調査の報告がメインである。写真はコピーなのであまり良くない。研究者向き。北九州中国書店で購入できます。
北九州中国書店ホームページ
カテゴリー: 北陸
歴史の道標 若林喜三郎先生追悼集
編集・発行:若林喜三郎先生追悼集刊行会
発行日:2000年8月25日初版
ページ数:267P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「若林喜三郎先生は平成11年12月25日、92歳をもって逝去された、その訃報は正月が明けてから堅子夫人からのお手紙で知らされた。それには脳梗塞の発作により苦しみもなく旅立たれたこと、葬儀も済まされたので香典などの気遣いの要らぬことなどが書き添えられていた。いかにも若林御夫妻らしいお心づかいであるとは思ったものの、われわれの弔意の表しようにとまどうことでもあった。そこで、かって金沢大学教育学部で学恩を受けた教え子の方々を中心に相談した結果、先生への思い出を込めて、学恩に感謝し、御人柄を偲ぶ文や棒呈論文を書いて御霊前に捧げ、ご冥福を祈る気持ちを表したいと決まったのである。」
石川県の各市町村史や多くの郷土関係著書がある若林喜三郎先生の追悼集です。偶然市内の古書店で見つけたので購入しました。
奥の城(西峯)遺跡 第二次発掘調査概報
編集・発行:中郷村教育委員会
発行日:1982年3月31日
ページ数:29P
定価:非売品
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「本遺跡は、第一次発掘調査(昭和54年11月)を室岡博氏に依頼実施したが、諸般の事情により発掘は小規模にならざるを得なかった。しかし、第一次報告書にも報告されているように出土品は、いわゆる縄文時代晩期の土器類、組石遺構等で考古学上極めて貴重なものであり、第二次調査は国・県の補助金を受けて、第一次発掘調査よりさらに規模を拡げて実施した。その結果予想以上に数多くの貴重な資料を得ることができた。」
奥の城となっているので城館遺跡かと思って購入したが、縄文後期の遺跡のようだ。周辺一帯は通称「奥の城」ということだが、なぜそう呼ばれているのだろうか。
砺波の歴史
発行:砺波市
発行日:1988年1月15日
ページ数:212P
編集:砺波市史編纂委員会
定価:1,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「砺波市には、昭和四〇年に発刊され昭和五九年に復刻された『砺波市史』(全一巻)がありますが、そのジュニア版として、このたび誰にでも親しまれ、わかりやすい『砺波の歴史』を作ることになりました。この中には、最近新しく発見された郷土の事柄も、十分に取り入れてあります。」
富山県砺波市の歴史入門編です。砺波チューリップ公園内の砺波郷土資料館で購入することができます。
砺波郷土資料館
平成17年度夏季特別展 源平合戦と北陸 義経伝説を育んだふるさと
編集・発行:石川県立歴史博物館
発行日:2005年7月23日
ページ数:106P
定価:1,600円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「この図録は、平成17年7月23日から8月28日まで開催する特別展に合わせて作成したものです。」
金沢市内の古書店で見つけました。県内の伝説で一番多いのがこの源平期に関するものではないでしょうか。本書では、源平に関する話やもの、場所を集めて収録している。こうやって見ると非常に多くの伝承地があることに驚いた。
石川県立歴史博物館
「兼六公園」の時代
編集・発行:石川県立歴史博物館
発行日:2001年9月8日
ページ数:32P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本図録は、石川県立歴史博物館が平成13年9月8日から11月11日まで開催する企画展『兼六公園の時代』の解説図録です。」
金沢市内の古書店で見つけましたが、兼六園についての絵図や絵葉書が多数掲載されています。貴重な資料もあり、当時実物を見れなかったのが残念です。
石川県立歴史博物館
角間 金沢大学総合移転用地内埋蔵文化財調査報告
編集・発行:金沢大学遺跡調査委員会
発行日:1989年3月25日
ページ数:112P+図版19P+付図7枚
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「金沢大学総合移転実施特別委員会の下部機関である遺跡調査委員会は、昭和62年11月に金沢市角間地区の約9.1haに及ぶ金沢大学総合移転用地全域の発掘調査をふくむ、すべての調査を終了した。この調査は、移転用地内における埋蔵文化財の事前調査を主とするものであったが、昭和58年10月から、移転予定地区全域について、予備調査を開始したのに始まり翌59年4月から、本格的調査を行ったのである。
金沢大学が総合移転する角間地区は、今まで埋蔵文化財等の調査が行われたことがなく、『周知の遺跡』はもとより、埋蔵文化財に関する発見、報告もなく歴史的には、未解明な点を多く残した地域であった。しかし、今度の調査によって、角間地区から若松地区にまたがる、総計実長約600mに及ぶ隧道遺構が発見されたことや縄文時代の遺跡、『乾場山遺跡』が確認されたことは、山林、原野とわずかな水田、畑地のみであったこの地区に古くから人々が住みつき、生活していたことを物語る貴重な資料の発見であった。とりわけ、この乾場山遺跡は、縄文時代も終末に近い頃のものと考えられるが、遺跡の立地が極めて特異な状況にあったこと等から、その考古学的意味も大きいといわねばならない。」
能美古墳群調査概要
発行:石川県辰口町教育委員会
発行日:1979年1月初版
ページ数:40P+図版16P
編集:石川考古学研究会
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、能美古墳群の保存対策を具体的にすすめるための基礎資料としての性格にかんがみ、昭和42年3月より43年4月間の8週間に亘る県・国庫補助費の交付をうけて実施した調査の概要に、従前の研究成果を集約して収録するよう努めた。」
古墳を中世に砦跡として転用するケースが多いが、能美古墳群も織田信長が一向宗や上杉謙信に対抗する砦を築いた場所と考えられてきた。当時の調査は純粋に古墳の保存と活用を目的に行われたものであり、当時の調査で古墳跡とされたものが、最近砦の土塁跡だと判明した。
羽咋市遺跡地図 1993
千歳御門移築記念特別展 再現千歳御殿
編集・発行:富山市郷土博物館
発行日:2007年10月27日
ページ数:30P
定価:500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「千歳御殿は、富山第10代藩主前田利保がm嘉永2年(1849)に隠居所として造営しました。この御殿は、富山城に建てられた建物のなかでも、最も豪華で、最も個性的なものです。また、当時の流行を取り入れた庭園も営まれ、同時代の他の城郭では類例のない大名御殿でした。しかし、6年後の安政2年(1855)に焼失し、再建されたものの簡素な建物となりました。そして明治時代初めに取り壊され、跡地は繁華街『桜木町』となっています。今では、御殿の威容は残された資料から推測するしかありませんが、現在でも御殿ゆかりの建物が残っています。それが『千歳御門』で、御殿の正門として建てられました。明治維新になり民間に払い下げられ、市内の個人宅に移されていましたが、このたび所有者から富山市へ寄付され、富山城址公園に移築することとなりました。今回、千歳御門が約130年ぶりに城址に戻ってくることを記念し、全国的に見ても特異な城郭御殿である千歳御殿の全貌を紹介いたします。」
本書は、平成19年10月27日から平成20年1月20日まで開催された特別展の展示図録です。移築記念として開催されたものですが、千歳御門の公開は平成20年春の予定です。
富山市郷土博物館 出版物ページ