史跡滝山城跡内便所改築事業報告書 便所改築に伴う史跡滝山城跡の確認調査

史跡滝山城跡内便所改築事業報告書
発行:東京都建設局西部公園緑地事務所
発行日:1997年3月31日
ページ数:32P+図版14P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「検出された遺構・遺物は共に僅少であったが、丘陵尾根部のローム層を削平し、埋め立てを行って平坦にした当時の生活面がやや硬化した層として確認され、さらに版築された土塁の一部が明瞭に確認されたことは、現在までに数度の試掘調査は行われてはいるが、本格的に調査されていない滝山城跡において、今後においても調査は多く望めない状況下でもあり、非常に有意義な確認調査であったといえるであろう。」
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野上塩之入遺跡 塩之入城遺跡 山間部における奈良・平安時代の集落と中世山城の調査

野上塩之入遺跡 塩之入城遺跡
編集・発行:財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
発行日:1991年3月25日
ページ数:カラー図版1P+134P+図版28P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
群馬県埋蔵文化財調査事業団調査報告書第121集
関越自動車道(上越道)地域埋蔵文化財発掘調査報告書第7集
「野上塩之入遺跡は、群馬県富岡市野上の鏑川右岸に広がる丘陵地上に所在する。間に谷地を挟んで東側のA区、西側のB区に分かれる。調査により、中近世の溝、土坑、奈良・平安時代の竪穴住居跡、炭焼窯跡、縄文時代の竪穴住居跡、土坑、先土器時代の石器等が検出された。塩之入城遺跡は、群馬県富岡市野上に所在し、野上塩之入遺跡B区から谷地を隔てて西に位置している。調査により、中世城郭跡、古墳が検出された。
塩之入城は、北西隅の平坦面を主郭部とし、南東の斜面を利用して曲輪を築いており、7カ所曲輪を確認した。主郭部からは、虎口、土塁状の高まりが検出されているが、建物跡は他の曲輪を含めて、1棟も検出されていない。頭部には浅間A軽石を含んだ土坑があり、炭化材が出土しているため、烽火台としての機能も考えられる。古墳は横穴式石室を持つ後期古墳であるが、城郭築造時に大きく削平されている。」

塩之入城は藤田氏が鏑川周辺に複数展開した城・砦のひとつ
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道後公園整備工事報告書(湯築城跡)

道後公園整備工事報告書 湯築城跡
編集・発行:愛媛県土木部道路都市局都市整備課、愛媛県松山地方局
発行日:2003年2月
ページ数:カラー図版15P+263P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「道後公園は、松山市の中心部松山城から直線で東に約2km、JR松山駅から東へ3.5km、市内交通の起点である伊予鉄松山市駅から北東へ約2.5kmの距離にあり、石手川が道後平野に流れ出て形成した扇状地の右岸に位置する小さな独立丘陵である。道後公園内には、市内観光の拠点松山市立子規記念博物館があるほか、大正及び昭和期には温泉浴場があり、また昭和25年には、古くから明治中期まで道後温泉で使用されていた「石造湯釜」(県指定有形文化財)を公園内に移設し湯釜薬師としてまつられたり、道後温泉の源泉があるなど、温泉にも縁が深い。公園は、中世湯築城跡のほぼ全域を包含する範囲で、その形状は外堀を含め南北350m東西295m、中央部は海抜約70m(比高約30m)の丘陵地となっている。昭和62年に道後動物園を閉園し、旧動物園区域は日本庭園として整備することとして、昭和63年度から埋蔵文化財調査を行った。」

湯築城である道後公園の整備完了に関わる報告書であり、道後公園の整備の計画・設計図・経緯などを掲載する。整備に先立ち徴された湯築城の歴史や城主、発掘調査成果なども簡潔に掲載する。
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千葉市生実城跡 昭和63年度・平成3~6年度調査

千葉市生実城跡
編集・発行:千葉市教育委員会、財団法人千葉市文化財調査協会
発行日:2002年3月31日
ページ数:210P+44P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「生実城跡は、村田川の北方約2.5km、西側に海岸低地を望む標高約17~21mを測る台地上に立地している。この台地の南と北側には赤井谷津の支谷、西側は海岸低地を望む急峻な崖地を呈し、東側には生実台地を北東から廻る谷津で囲まれており、自然地形を利用した城跡を形成している。城域は推定でおよそ32万m2におよぶ大規模なものだが、生実城の中心域は昭和44・45年の団地造成に伴い破壊され、現在はその旧状を伺い知ることはできない。また、周囲の大部分も宅地化が進行するなどにより地形が大きく改変されており、生実神社西側の空堀と大手口付近の土塁が僅かにその名残をとどめているにすぎない。」

生実城の部分的発掘調査報告書であるが、城主であった原氏系譜、編年表や城跡や後の陣屋の復元図などが掲載され、総合的な内容となっている。
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史跡若松城跡 干飯櫓・南走長屋復元事業報告書

若松城跡干飯櫓・南走長屋復元事業報告書
編集・発行:会津若松市
発行日:2002年3月
ページ数:カラー図版4P+109P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
「本報告書は、史跡若松城跡総合整備計画の一環として、平成9年度~平成12年度に行った干飯櫓・南走長屋復元事業の報告書で、若松城の概要、復元に至るまでの調査研究、資料、実施概要、記録写真、図面などを収録したものである。」
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盛岡城跡 昭和59年度発掘調査概報

盛岡城跡
発行:盛岡市教育委員会
発行日:1986年3月31日
ページ数:43P+図版12P+附図1枚
定価:不明
オススメ度:★★★★☆
「築城から400年近い歳月、石垣は盛岡の発展を見まもってきましたが、記念石垣のいたみがめだちはじめ、これの解体修理を実施することになりました。まさに昭和の大修理ともいうべき大規模な工事です。工事に先立ち発掘調査も実施することになり、これまで文献や絵図でしかうかがうことのできなかった盛岡城に初めて発掘というメスがいれられることになったわけです。その調査成果は各方面から注目をあびているものと思いますが、この報告書は昭和59年度分のものです。」

書評:
調査により石垣遺構は4期にわかれ、3期に石垣が積まれているようです。石垣修理の初年度分報告であり、城郭平面図が掲載されています。
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図説 駿府・伊豆の城

図説駿府・伊豆の城
出版社:郷土出版社
発行日:1992年10月初版
ページ数:246P
監修:小和田哲男
定価:15,534円+税
オススメ度:★★★☆☆
「静岡県下には、古代末期の武士団の居館から、明治維新によって廃城となった近世の城まで、およそ750余の城館があったといわれている。この数は、遺構がはっきりしていなかったり、文献や地籍図なり土地の伝承等によって確認される数で、もちろん、今後の調査研究によって増えることは考えられるが、かつて、駿河・遠江・伊豆の三か国から成っていた静岡県域における分布状況は、全国的にみて平均的なところと思われる。さて、本書では、静岡県域のうち、駿河と伊豆二国を扱っている。駿河は、戦国時代、今川氏-武田氏-徳川氏と支配者が代わり、それぞれの戦国大名ごとに築城術も異なり、全国的な城郭史の研究の上からも注目されている地域のひとつである。」

書評:
駿府・伊豆地域の城館を概観する手引きとして最適な一冊となっているが、特に総論における時代的背景を含めた城館の推移の論考は役に立つものである。
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図説 遠江の城

図説遠江の城
出版社:郷土出版社
発行日:1994年9月初版
ページ数:207P
監修:小和田哲男
定価:13,592円+税
オススメ度:★★★☆☆
「遠江は城郭史の観点からみて、全国的にいっても注目すべきところである。今川・武田・徳川という、戦国時代を代表する三つの勢力がぶつかりあい、特に、武田・徳川の抗争にかかわって築かれた城は、戦国期城郭の最高傑作といっても決していいすぎではない。もちろん、そうした三大勢力以外の国人領主クラスの築いた城にもみるべきものは多く、遠江は中世城郭・近世城郭の宝庫である。さきに、同じく郷土出版社から私の監修で「駿河・伊豆の城」が上梓されたが、本書とあわせ、二冊で静岡県の城630城を取り扱ったことになる。現在確認されているところでは、静岡県の城はおよそ750であり、この二冊で、ほぼ全貌をつかむことができるのではなかろうか。」

書評:
同社の他の城シリーズに比べるとコラムが少なめで城郭辞典という性格が強い。総説は遠江国の城郭の変遷について、時代的背景とともにさっと外観できてとても良い。
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定本 山梨県の城

定本山梨県の城
出版社:郷土出版社
発行日:1991年11月初版
ページ数:254P
責任編集:萩原三雄
定価:17,476円+税
オススメ度:★★★★☆
「本書が、戦国大名武田氏の築城になる大規模で政治的にも重要な城郭のほかに、山深い地域に存在する、名もない小規模な山城や、村々に点在する屋敷群などを積極的に取り上げたのは、こうした城郭のもつ多様な要素と性格を引き出すための重要な方策であった。この研究手法は、先の「日本城郭大系」や、1986年の「山梨県の中世城館跡-分布調査報告書」で形づくられてきたが、今後はさらに、寺社・街道・墓域、あるいは中世的景観までを視野において総合的に推し進められるべきであろう。同種の多くの城郭関連書物が地域的羅列の方法をとっているのに対し、本書が「武田氏の本拠と府中の経営」、「甲斐国と村の防衛」というように、城郭の性格や時代背景を踏まえ、章だてしたのも、今後の研究に対する試金石的試みのつもりであった。それにしても本書に示した470余の城郭は、本県の歴史のずっしりとした重みを担いながら、それぞれの地域で今日まで根づいてきた。それらを見れば、歴史とはいかに複雑で、多様で、そして奥深い存在であるかに気づかれるのではないかと思う。」

書評:
山梨県の城館を歴史軸に分割して紹介している。地域的な分割で城館を紹介するよりも時代的背景がわかりやすい。
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ひょうご百科 ひょうごの城

ひょうごの城
出版社:神戸新聞出版センター
発行日:1977年4月初版
ページ数:125P
著者:朽木史郎
定価:2,500円
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
本書は朽木氏が後に改訂として発行する「ひょうごの城」の初版本です。初めは新聞の連載記事であったようだ。手軽な辞典としての要素を含むため、一般的な城知識や資料紹介もあり、城の解説は23城とわずかですが、当時の貴重な写真を見ることができます。
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