編集・発行:大和中世考古学研究会、織豊期城郭研究会
発行日:2006年5月初版
ページ数:153P
定価:2,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「この度、大和中世考古学研究会・織豊期城郭研究会では、冊子『織豊系城郭の成立と大和』を刊行いたしました。この冊子は 2005年3月に奈良大学で行ったシンポジウム「織豊系城郭の成立と大和」を下地として、当日ご発表いただいたパネラーの先生方に新たに原稿を書き起こしていただいたものを纏めたものです。本書には,織豊期の大和,織豊系城郭の実像を俯瞰できるだけでなく、中世を通じて育まれた多様な「在地社会」が、権力構造の変化の中でいかに順応し、変化していったかを、実資料を通じて明確に指摘した論考 10 篇を掲載しております。」
奈良県を中心とした注目すべき論文が並んでいます。今年の全国城郭研究者セミナー会場で購入しましたが、どうやら在庫切れのようですね。
カテゴリー: 畿内
「織田信長と安土城」 開館記念シンポジウム記録
編集・発行:安土城考古博物館
発行日:1994年3月31日
ページ数:63P+8P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「当館では開館の記念行事の一つとして、平成4年11月15日に滋賀県安土城郭調査研究所とともに、活動テーマの一つである「織田信長と安土城」に関する公開シンポジウムを開催致しました。建築・考古・哲学・文献といった学会各分野の第一人者をお招きし、幅広い視点から安土城や信長の実像に迫る興味深い諸先生方の研究成果を披露していただきました。そこで、このシンポジウムの内容を広く皆様に知っていただくために、当日の記録を一冊の本にまとめました。」
古書で最近入手したものですが、開館記念の講演・シンポジウム内容をまとめたもので、一般販売されたものではないようです。当時の発掘調査の様子が掲載されていますが、貴重な写真も含まれているようです。といっても調査開始から二十年を経過し、安土城発掘調査の成果が各種本として出版されている現在では珍しいものはないかもしれません。一度比較してみないといけませんね。
大坂城 名城をゆく3 小学館101ビジュアル新書
出版社:小学館
発行日:2010年4月
ページ数:190P
編集:小学館「名城をゆく」編集部
定価:1,100円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「豊臣秀吉によって築かれた天下一の名城・大坂城。その見どころのほか、歴史を動かした人物や合戦、城下町を紹介する。地元出身の作家・経済評論家、堺屋太一が城への思いを綴った文章なども収録。城内・周辺地図付き。」
以前同社から発売された「週刊名城をゆく」から4年。目次構成は前書を踏襲しているが、内容は新書版となって非常に充実している。ポケットサイズで城内・城下散策には欠かせない一冊となっている。発行間隔が長いのが待ち遠しくなる。
京都国立博物館所蔵能装束展
発行:金沢能楽美術館
発行日:2010年4月17日
ページ数:8P
定価:200円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
金沢能楽美術館で2010年春季特別展(4月17日~5月30日)の図録です。今回の展示内容には能面も含まれるのですが、図録には能装束のみ掲載されています。加賀前田家所蔵の「黄地唐花文様綴綿半切」が最も大きく取り上げられています。図録は装束の色がきれいに出ていますが、実物はまた違いますよ。
新視点・山寺から山城へ -近江の戦国時代- 第4回山寺サミット
大坂城再築と東六甲の石切丁場 ヒストリア別冊
編集・発行:大阪歴史学会
発行日:2009年6月20日
ページ数:216P
定価:1,000円
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、2005年4月16日に実施した、大阪歴史学会現地見学検討会《天下普請を支えた石材の調達 -徳川大坂城東六甲石切丁場跡-》をもとに、当日の報告者のみならず、関連論考の寄稿を依頼し、まとまった内容をもつ『ヒストリア』の別冊として企画した。」
石垣の部材を採取した石切丁場に関する調査報告をまとめた冊子。学会報告でもあるので、内容は専門的はあるが、その分最新の報告を読むことができます。
購入は大阪歴史学会ホームページより。
秋季特別展 残照 本能寺からの織田一族
発行元:滋賀県立安土城考古博物館
発行日:1994年10月15日
ページ数:99P
定価:不明 品切れ
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本展では、秀吉が天下統一を進める中で、失われていこうとする信長の威光というものを、信長の息子たちに焦点をあてて追究しています。これまで、秀吉から家康へとつづく天下統一の過程として描かれていた歴史を、信長の息子たちの視点から見直してみようというのがこの展覧会のねらいです。」
本書は、平成6年10月15日より11月13日まで開催された秋季特別展の展示図録です。貴重な資料の数々がカラー写真で掲載されています。とてもいい図録なんですが、開館当時の図録はほとんど品切れなんですよね。
安土城考古博物館ホームページ
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念 東本願寺の至宝展 両堂再建の歴史
御土居堀ものがたり
出版社:京都新聞出版センター
発行日:2005年10月初版、2008年5月再版
ページ数:297P
著者:中村武生
定価:1,400円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「アジア、西洋を歩くと街をぐるりと取り囲む都市城壁が見られる。かつては京都にも、城壁と堀が並置された『御土居堀』があった。城壁と堀がなぜセットになっているのかを検証、現在の様子も紹介する。『京都新聞』連載に加筆。」
「御土居」とは豊臣秀吉によって京の街のまわりに築造された土居と堀のことである。筆者はその歴史的重要性を説明するとともに、失われていく御土居の保護を訴えている。御土居に関する本が少ない中で手頃な価格で入手できる本書の存在は非常に大きい。