編集:富山市郷土博物館
発行日:2005年11月初版
ページ数:71P
定価:1,200円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
本書は、富山市郷土博物館の常設展示図録です。富山市郷土博物館は2005年11月にリニューアルオープンしました。富山城の歴史に関してよくまとめられています。富山城の模型のデモンストレーションは実際に博物館に行ってみましょう。本当によく出来ています。
富山市郷土博物館 出版物ページ
カテゴリー: 郷土史
多摩の古城址 -城址・砦址・館址-
出版社:武蔵野郷土史刊行会
発行日:1978年5月再版
ページ数:280P
著者:小幡晋
定価:1,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
多摩の地に城址が百城もあるという。著者は鹿児島の人であるが、多摩信の「多摩のあゆみ」の読者で一年余も前に持ち込まれたものであるという。著者の愛嬢が、立川と日野に嫁いできていて、毎年上京し、数ヵ月は滞在して古城址の散策を楽しんでいる。多摩の古城址めぐりをはじめて既に四年半になるということであった。
本書では多摩の古城址104城が紹介されている。紀行文に近いものであるが、各城址の由来や歴史にもふれ、非常に読みやすい。すでに廃刊となり、入手は非常に困難である。時代的に写真がモノクロであったり、退職したやすい紙質なのは仕方がないとして、背糊が弱く、前、後ろからページがはずれてくるのは何とかならないものか。
秩父路の古城址
出版社:有峰書店新社
発行日:1983年3月初版、2001年4月新装版
ページ数:336P
著者:中田正光
定価:1,500円+税(初版)
オススメ度:★★★★☆
書評:
『現在、埼玉県内には、文献やその他で知りうる中世の城は、およそ三百八十カ所あるが、未知のものを含めると、少なくともその倍はあるだろう。しかし、一方で開発という破壊の波は、いつまでも安らかな存在を見守ろうとはしない。いまでは山岳地帯にまで押し寄せようとしている。西部山岳地帯である秩父地方には、およそ六十ヵ所の城館跡がある。本書で取り上げたのは、その内の三十七ヵ所であるが、幸いにして当時の遺構を良好に保ち、原型を十分に知ることができるものばかりである。これら中世の城をより多くの人たちに知ってもらい、やがては「行っても何もないですよ」という返事から、「行ってごらんなさい、よく残ってますよ」という言葉が返ってくる日を心ひそかに願っている。』
37城と紹介している城は少ないが、それぞれに縄張り図、歴史など解説を加えている。現在新装版となっているが、初版、新装版ともに絶版となっており、非常に入手が困難である。
東葛の中世城郭 千葉県北西部の城・館・砦跡
向羽黒山城跡ガイドブック 歴春ブックレット28
定本和歌山県の城
出版社:郷土出版社
発行日:1995年7月初版
ページ数:255P
監修:水島大二
編集:「定本・和歌山県の城」刊行会
定価:10,680円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
県内のどこに、どれほどの城跡が存在しているのだろうか調べてみたい、そんなとき、まず郷土関係の書を開く。ところが、これらの書には古城跡の記載が意外と少ない。そこで、もっと詳しくふるさとの城を知りたいという多くの声に応えるために企画されたのが本書である。
これまでに発刊されている古城跡について記した本の多くは、城跡を実際に歩いて調べたものではなく、江戸時代の「紀伊続風土記」(1840年成立)に記された古城跡を記載したものが大半であった。「紀伊続風土記」では「古城」の項は145か所で、ほかの項目内に古城館の存在を示したものを含めても約330か所に過ぎない。そして、過去の多くの書籍では、地元に城の遺構が残存していても、伝承があっても、「紀伊続風土記」に記載されていない城跡は取り上げていない傾向がみられたのである。また、「城」が「天守閣」の代名詞となっている今日、山上に築かれることの多かった中世城郭は「トリデ」ではあっても「城」ではない、ましてや平地に築かれた「土居」の類に至っては、単なる「屋敷」で「城」とはほど遠いものとして扱われる傾向もみられた。
こうした過去の記録に固執せず、城と呼ばれていなくても「城郭」に類する役割と構造をもつものを歩き調べていくうちに、和歌山県内でその数は800余城にもなった。その城名を活字にすれば一枚の紙に収まるものだが、この一枚に35年もの歳月を費やしたことになる。
本書は、県内の城郭を網羅した長年の調査結果を世に問う初の試みであった。城郭研究者のみならず広く一般の読者にとっても読みやすく、使いやすい内容と構成を心掛け、今後、「紀伊続風土記」に代わる郷土の基本書となるよう工夫した。
写真・図版を多用し、和歌山県の城郭を幅広く収録した本書は、和歌山県の城郭資料として第一級である。発行部数のためか、現在非常に入手が困難なのが残念。
戦国越中を行く
出版社:北日本新聞社
発行日:2003年7月初版
ページ数:253P
編集:北日本新聞社
定価:1,714円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
戦国時代の佐々成政が富山城の城主だったことは、広く県民に知られている。しかし、越中の平定がどう進められたかを知る人は、少ないのではないだろうか。本書は、北日本新聞朝刊に平成14年1月から同年11月まで42回連載した「戦国越中を行く」と、同年5月に17回連載し、県内に残るゆかりの史跡や伝説の地を紹介した「今に生きる佐々成政」を合わせて編集した。越中が本格的な戦乱の時代に突入した天文12(1543)年の「越中大乱」から、平定、さらに豊臣秀吉に降伏するまで。成政の動向を中心に、近年の発掘調査の成果を織り込みながら富山の戦国史をまとめた。
新聞の連載記事だったため文章は非常に読みやすく、次に読み進めさせる力がある。城郭に関する情報も豊富であるが、地図が大まかで分かりにくいのが残念。
古代山城・鬼ノ城を歩く
出版社:吉備人選書
発行日:2002年9月初版
ページ数:186P
著者:村上幸雄、葛原克人
定価:1,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「鬼ノ城」がもつ最大の魅力は、要害堅固な古城山城としての卓越した内容である。古城山城は、西日本以西におよそ30城を数えるが、鬼ノ城ほど遺構が原状に近い状態で残り、規模や構造がわかるものも珍しい。どれ一つをとっても、まさにトップクラスのものといっていい。約100点の貴重なカラー写真で案内する鬼ノ城散策に必携の一冊。
地元ガイドが書いた案内書。鬼ノ城へ登る前に目を通しておくと、より楽しめます。駐車場よりぐるっとまわるだけでも2時間はかかります。足場が危険な場所もあるので、散策はぜひ晴れた日に!
近江の城 城が語る湖国の戦国史
出版社:サンライズ出版
発行日:1997年10月初版
ページ数:200P
著者:中井均
定価:1,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「滋賀県教育委員会が10年を費やした分布調査の結果は10冊のの報告書にまとめられた。そこには人知れず、草に埋もれた名もなき城館跡の基礎的なデータが収められている。幸いにもこの調査の末端に参加させて頂いたり、報告書に導かれて城跡を見学するうちに、近江の中世城館跡はまさに日本城郭史の縮図であり、実にバラエティーに富む様々な構造を有する城館跡が多数存在することがわかった。
本書は、こうした多様な近江の中世城館跡の分布や構造そのものから、従来文書で明らかにされることのなかった湖国の戦国史の再検討を試みるものである。」
城の構造、立地から存在意義を検討している著者の意欲作。