発行:丸岡町長 高倉忠
発行日:1979年10月初版、1991年3月改訂版
ページ数:34P
編集:伊東尚一
定価:700円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
丸岡城の歴史を簡潔なかたちでまとめてあります。丸岡城の歴史の入門書的な位置付けができるでしょう。作成された時代的なものか写真はすべてモノクロです。丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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カテゴリー: 郷土史
丸岡城略史
発行:丸岡城下を考える会
発行日:1991年10月初版、1999年3月改訂版
ページ数:233P
編集:大谷英仙
定価:1,500円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
元亀元年(1570)から平成3年(1991)までの丸岡の出来事を全国の出来事と並列して年表としてまとめたもの。参考資料に「丸岡城略史」(丸岡五徳会、昭和63年刊)と同名の書籍があるが内容が同一のものかまでは不明です。本書は、丸岡城の研究の補助史料として使うことができます。丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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越前丸岡の民話と伝説
発行:築城四百年記念祭実行委員会
発行日:1975年3月初版、1998年9月第5版
ページ数:68P
編集:岩崎新之助
定価:600円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「丸岡町・・・私達の住んで居る丸岡町は、どの地方より誇る事の出来る沢山の文化財を持ち、日本で一番古い丸岡城天守閣を始めとし六呂瀬古墳、豊原三千坊、千古の家と千有余年の長い歴史があります。このたび築城四百年を期して、この跡を温める一助にと『越前丸岡の伝説・民話集』を広く紹介するにあたり、村々の古老の物語を取り調べてここに書き述べました。」
丸岡町(現在は坂井市)の民話と伝説を収録したもの。昭和50年に収集されたものなので、現在は失われているものもあるでしょう。本書は丸岡城歴史民俗資料館で販売されています。
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関城地方の中世城郭跡
発行:関城町
発行日:1989年3月初版
ページ数:114P
編集:関城町教育委員会
定価:1,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「関城町では、これまでに町史編さん事業の一環として史料編・通史編あわせて10冊を刊行してきたが、中世史の分野でも、『関城町史』史料編Ⅲ・中世関係史料を刊行、さらにそれを踏まえた関城地方の中世の歴史が『関城町史』通史編・上巻の中で叙述されている。しかし、史料編Ⅲでは文書・記録を中心に石塔・石仏を扱ったのみで、この地方に残る中世の遺跡を取り扱うまでにいたっておらず、また、通史編では遺跡・遺物を若干取り上げたものの、書物の性格上、十分な検討を行うことができなかった。本書はこうした欠を補うべく、関城地方に現存またはかつて存在した城郭遺構(城跡)に注目し、遺構の現状や性格について検討しようとするものである。」
関城町(現在の筑西市)の城館跡の調査報告書で、関城町史の別巻扱いとなっている。郵送もしてもらえるが、現金書留・着払いなので予想以上の出費になります。
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福井市史 資料編別巻 絵図・地図
発行・編集:福井市
発行日:1889年3月初版
ページ数:268P+付録2枚
定価:8,250円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「複製技術や印刷文化が格段の進歩をとげた今日においても、ときには畳数枚分もの大きさに及んで写真撮影はもちろんのこと、全体を見ることすら容易でない絵図資料は、文書資料の活字化の場合とは異なる多くの複製上の困難をはらんでいる。事実、史料探訪の折に興味深い絵図(そのほとんどは彩色されている)にめぐりあっても、それらが資料として利用されうるような形で複写・撮影されるのは、まれな例に属するというのが現状である。現在各地で盛んに刊行されている歴史資料集のなかにも絵図資料を集めて一巻を編むといった例がきわめて少ないのは、この間の事業を反映したものであろう。こうしたなかで本書は、私たちの住む福井市域の歴史にかかわる絵図・地図資料を集め、まとめてみようとする一つの試みであり、数多くの人たちの種々の協力に支えられて成ったものである。もとより資料は現物を見るにしくはない。しかしこうした試みがなければ、貴重な絵図資料はいつまでも小さな限られた世界にとどまり続けるであろう。」
市史に絵図編を置くのは最近では珍しくなくなったが、それでも数は限られる。そんな中で先鞭を付けた一冊が本書であるが、初期の印刷技術はまだまだ拙く大きな絵図は文字を読み取れるほどの鮮明さはない。撮り直して再販していただけるとうれしいのだが、まだすべて市史が完結していない今は無理な話か。絵図と解説がセットになっているのでゆっくりと眺めてみたい一冊である。
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新修七尾市史 7 七尾城編
発行元:七尾市
発行日:2006年3月初版(限定1000部)
ページ数:385P+240P
編者:七尾市史編さん専門委員会
定価:6,000円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「本書の内容は、文献史料編と考古資料編に大別される。前者は、既刊の『古代・中世資料編』の続編でもあり、永正元年(1504)から天正十年(1582)7月の石動山・荒山合戦までの史料を、編年体で収録したもので、七尾市史中世資料編のうちの『戦国編』ともいうべきものである。そこには堅固な山岳城(七尾城)を構成し、戦国大名として領国支配を展開する一方、黄昏の室町幕府を支え、能登に地方武士文化を高揚させた、幕府管領畠山氏の庶流『能登畠山氏』の、戦国期における関係史料を網羅した。収録された史料はいささか難解ではあるが、それらを丹念に読み解くことによって、政治・経済・文化の書く分野にわたり京都と深く係わりながら、日本の戦国社会のなかで光彩を放ち続けた大名能登畠山氏と、その拠点であるのと七尾の重要な歴史的位置が浮かび上がってこよう。後者の考古資料編は、昭和四十八年以降続けられてきた、七尾城跡遺跡遺構の測量・発掘調査と、平成三年の市内古屋敷町のシッケ地区遺跡の発掘に始まる、七尾城下町遺跡群の遺構・遺物に関する発掘成果を、豊富な図版などを付して集成したものである。あわせて七尾城についての江戸時代の地誌類や、史跡としての七尾城跡保存の歩みをたどる近現代の関係資料も収録した。七尾城跡が、全国でも屈指の規模と構造を誇る戦国城郭であることは、夙に知られていたが、新たに七尾城下の発掘によって、整然とした町並みの一部が検出され、本格的な戦国城下町の存在が予測できたことは、注目される。」
市史や市史別冊に城館編を設ける自治体は全国でも増えてきたが、一城(七尾城)のみで一冊にしてしまった市史は類がないであろう。現時点はまさに七尾城の最高の資料集といえるであろう。
七尾市 七尾市史編さん室ホームページ
新編高崎市史 資料編3 中世Ⅰ
発行元:高崎市
発行日:1996年3月初版
ページ数:628P+付図4枚
編者:高崎市史編さん委員会
定価:4,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本巻は中世という時代に、高崎の地で造られ残されてきた、和田城・倉賀野城等の城館址、遺構・遺物等の考古資料、更には、阿久津町玄頂寺の五輪塔・浜川町来迎寺の宝篋印塔・山名町光台寺の石仏等の金石文資料、その他中世に関係する数多くの資料を一冊にまとめたものです。このような、中世考古資料の刊行は、中世資料の世界を豊かにするものとして、全国的にも例が少なく画期的な試みであります。」
先に中世Ⅱ(文書・記録)が発刊されているので、高崎の中世を調査するときは合わせて購入したほうがよいであろう。文字が多少小さいような気がするが、資料編であるから内容が充実させてページ数を減らすという方針があったのであろうから問題ないであろう。私は城館址編を目的にこの巻のみ購入したが、付図は国土庁の1/10000地図上に城館址の位置が書いてあるので重宝する。
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高崎城絵図 -「櫻井一雄家文書」を中心に- 高崎市史資料集1
発行元:高崎市
発行日:2006年3月初版、2006年10月2版
ページ数:129P
編者:高崎市総務部庶務課市史資料担当
定価:1,500円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「高崎市が『櫻井一雄家文書』の寄贈を受けて7年の年月が経過しました。市指定重要文化財に指定されたこの貴重な資料を市民の皆様に公開することは、寄贈してくださった櫻井氏へのご好意に報いる最善の方法ではありましたが、市史編さん室としては『新編高崎市史』の刊行業務に追われ、公開が叶いませんでした。編さん事業終了後各方面のご理解を得て、組織を引き継いだ庶務課市史資料担当の最初の刊行物として、この度高崎市史資料集1『高崎城絵図』を発刊することができました。」
高崎城について寄贈された資料を掲載する。一城について詳細な絵図と解説を掲載した資料集は貴重であろう。絵図の印刷状態も良く、絵図上の文字もほとんどが解読できるほど鮮明である。初版1000部があっという間に売り切れたため、半年を経てようやく再販されました。
高崎市 有償刊行物ホームページ
小諸城 千曲川文庫4
出版社:櫟(いちい)
発行日:1983年8月初版
ページ数:413P+小諸藩図1枚
著者:中村勝実
定価:1,600円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「浅間山から雪が消えると、東京からどっと若い人たちが『藤村の小諸』を訪ねてくる。あの『千曲川旅情のうた』に魅せられてのことだろう。シーズンともなると、『破戒』や『千曲川のスケッチ』の文庫本を手にした藤村ファンは、まさに門前市をなす盛況だ。だが、ほとんどの人は、この城に昔天守閣があり、だれが城主であったかは知らない。まさに藤村文学にかき消されたというのが、小諸城の実態だ。小諸城は城としては平山城だが、同時にそれは浅間の斜面を利用して縄張りをした穴城である。小諸の町は、城より高いところにあって、城下町でなく”城上町”。こうした形態の城は、全国でもその例は聞かない非常に珍しいものである。そんな変った城に一つの興味を抱いて、小諸城の歴史を調べている気になった。」
地元の方に向けた小諸城の啓蒙書であろう。文庫とはいえ、大きさも一回り大きく、ページ数も多い。実に読み応えがある。著者は元新聞記者であるので私見はあまり入らず語り口は淡々としている。小諸城の入門編としては十分な内容である。
史料年表能登の中世戦国史 七尾城と小丸山城
出版社:北国新聞社出版局
発行日:2005年9月初版
ページ数:823P
著者:坂下喜久次
定価:3,000円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「七尾城と小丸山城」という標題であるが、広く能登地域の中世から近世までの歴史史料をまとめた書である。その史料の数は約1600点、頁数も800ページを超える大作である。これだけの史料を集め、まとめることにどれだけの努力と労力があったか想像もできないが、一般市民に向けれた書とは言え、中世能登研究者にとっても今後は必携の一冊となるだろう。内容は史料・史実をできるだけ忠実に再現することに重きを置いているため、読み物として購入するとがっかりするかもしれない。この書を足がかりに更に探求するという使い方がよいだろう。