出版社:大修館書店
発行日:2001年10月初版
ページ数:47P
編者:石川県埋蔵文化財センター
定価:1,400円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「早く起きろ・飲み過ぎるななど農民への8ヶ条が記される、今で言う掲示板。平安前期の庶民生活・地方行政を再現し話題を呼んだ、石川県津幡町舟橋・加茂地内に所在する加茂遺跡出土のものを中心とした調査報告書。」
一般に発掘調査報告書は埋蔵文化財センターや教育委員会から発行されるが、本書は市販書籍である。それ程この発見が世紀の大発見だったことを物語る。
カテゴリー: 郷土史
加賀・能登の伝説 日本の伝説12
出版社:角川書店
発行日:1976年11月初版
ページ数:262P
著者:小倉学、藤島秀隆、辺見じゅん
定価:980円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「百万石の城下町金沢を花芯に南にはそそりたつ聖なる白山の峰々、北には長く日本海に延びる半島の能登を擁するこの地は、往古から月光のような清冽な文化を輝かせ、深雪とともに悲愁の伝承を数多くひそめてきた。」
伝説・伝承のたぐいは昔話として、時には史実を、時には規律などを教えるものとして伝えられてきた。中には城に関するものも多く、石川県にもその類は伝わっているようだ。新聞に時々掲載されることから興味を持ち、地元の伝説に関する本書を手に入れた。非常に読み易いが、この手の本が最近少なくなったことが残念である。
小立野台地等の寺社調査 金沢市文化財紀要15
編集・発行:金沢市教育委員会
発行日:1978年3月31日
ページ数:38P
定価:非売品
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「金沢の生いたちは、一向宗門徒集団が尾山御坊を現在の金沢大学の地に建てたのがはじまりで、それは天文15年(1546)で430年前にさかのぼります。はじめ門前町として栄えたが、やがて金沢城の城下町となり古い伝統を受け継いで歴史的文化遺産を数多く残しています。神社・寺社の文化財調査は昭和49年から実施し、本年度で4ヶ年を経過し一応終了することとなりました。さきに『卯辰山麓等の寺院調査』と『寺町台の寺院調査』の報告書を発刊してきましたが、今回は最終の報告書となります。」
金沢市に存在する3箇所の寺院群の1つ、小立野寺院群の文化財調査報告書。
日本海地域史研究 第8輯
加賀・能登 歴史の扉 加能史料刊行二十五周年記念出版
発行:石川史書刊行会
発行日:2007年10月20日初版
ページ数:281P
編者:加能史料編纂委員会
定価:2,500円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「『加能史料 奈良・平安Ⅰ』が刊行されてから、はや二十五年が経ちました。昨年度の室町編完結により、奈良・平安・鎌倉・南北朝・室町・戦国の各時代がつながり、あとは戦国編の完結を待つばかりです。本書は、平成十一年『加能史料』編さん二十周年記念として出版された『加賀・能登 歴史の窓』に続く第二弾として企画されたもので、加能史料会報十二号以降の論考に、関係者の新稿を加えてまとめたものです。」
本書は、石川史書刊行会(石川県立図書館内)で購入することができます。
石川史書刊行会 刊行物ホームページ
加賀・能登 歴史の窓 加能史料編纂二十周年記念出版
石田三成と佐和山城址 東山の史蹟と景勝
編集・発行:彦根石田三成公顕彰会 元彦根図書館長 北野源治
発行日:1974年8月初版
ページ数:217P
定価:500円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本冊子も版を重ねて来ましたが、今回更に稿を補足して顕彰に幾分でも役立てようと考えた次第です。今回、島津藩と関係深い高宮町小林家から興味ある資料を提出して下さったので追加記述とした。彦根の東山一帯が史蹟と景勝に富める観光地であることを広く認識してほしいとの念願から今回、本冊子に付加することにしました。更に『彦根の昔と今』に関して簡単ながら人口の変動と町名の変移を記述して参考の資料とした。」
前回の同名書「石田三成と佐和山城址」から10年経ってかなり内容を追加・補足して、石田三成公顕彰会の発行として完成形となっている。現在入手が非常に困難、また高価なのであるが、全体に焼けが強く残るものの地元古本屋で偶然にも安く入手することができた。文章は口語調に改められて前書に比べ非常に読み易くなっている。文字が大きめなので文章量はそれほど多くない。
帰雲城 世界遺産白川郷物語 (上)・(下)
大津城跡発掘調査報告書 -浜大津公共駐車場・スカイプラザ浜大津建設に伴う- 大津市埋蔵文化財調査報告書29
編集・発行:大津市教育委員会
発行日:1999年3月
ページ数:52P+図版45P
定価:2,100円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「大津城は、豊臣秀吉の命により坂本城の廃城にともなって、天正14年(1586)頃に現在の浜大津周辺に建てられた城です。第4代目城主の京極高次は、関ヶ原の合戦に先立つ大津城攻防戦に東軍方として籠城し、西軍の大軍を大津城に足止めしました。この京極高次による西軍の足止めが、関ヶ原の合戦の勝敗に大きな影響を及ぼしたと言われています。今回発掘調査を実施しました場所は、大津城本丸推定地の東端部分にあたります。調査の結果、大津城に関連すると考えられる遺構として、礎石建物跡2棟・区画の石列・石組の溝跡などが検出されました。このことは、謎に包まれた大津城の実体を解明していく上で、貴重な発見であるといえます。」
図版はモノクロしかなく残念であるが、これまでの大津城の発掘調査の経過を知ることができるので貴重である。本書は大津市歴史博物館で購入しましたが、実は最後の一冊でした(2007年11月2日)。こういう報告書類は再版されることが非常にまれなので入手できたのは運が良かったです。
大津市歴史博物館 文化財・報告書ホームページ
膳所城本丸跡発掘調査報告書 大津市埋蔵文化財調査報告書16
編集・発行:大津市教育委員会
発行日:1990年3月
ページ数:49P+図版8P
定価:1,220円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「膳所城は、坂本城・大津城とともに、湖を利用した水城としてよく知られています。しかし、この膳所城もいまは膳所城跡公園に当時の面影をわずかに残すだけで、ほとんど姿を消してしまいました。その実実態については、絵図などの史料により研究が進められておりますが、考古学的な発掘調査はいままでほとんど行われていませんでした。本報告書は昭和58年度に実施しました膳所城本丸跡の発掘調査の結果をまとめたものです。」
今回の発掘調査結果のほかに、現存する膳所城の遺構に関する章が一つと、前回の発掘調査の概要が一章含まれていて、膳所城に関する遺物に関してすべてを把握できるので、膳所城研究には価値ある一冊となっている。本書は大津市歴史博物館で購入できます。
大津市歴史博物館 文化財・報告書ホームページ