編者:峰岸純夫、斎藤慎一
出版社:吉川弘文館
発行日:2011年6月
ページ数:274P
定価:2,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「往時を偲ばせる石垣や土塁、郭の痕跡などが訪れる者を魅了する中世城館跡。茨城・栃木・群馬の3県から精選した名城64を、最新の発掘成果に文献による裏付けを加えて、詳細・正確な解説と豊富な図版で紹介する。」
このサイズで多くの城を紹介しているので一城あたりのページ数は多くありません。そのため、歴史は深く触れられていませんが、各城ごとに地図や縄張図が掲載されていますので、持ち運びできるサイズで現地を訪れるときは役に立ち、また予習するにはちょうどよい解説量かもしれません。
カテゴリー: 郷土史
白山麓・手取川流域昔話集 石川県石川郡鳥越村・吉野谷村・尾口村
金沢市の寺院群民俗行事 金沢市寺院群民俗行事調査報告書 金沢市文化財紀要149
編集:金沢市教育委員会
発行:三島市教育委員会
発行日:1999年3月
ページ数:128P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「金沢市教育委員会では、本市の寺院群を中心とする界隈において失われつつある心の復活を求め、地域社会と寺院との触れ合いを探るため、卯辰山麓、小立野台および寺町台の3寺院群における民俗行事の調査を行い、その結果、ここに刊行する運びとなりました。調査は金沢市民俗文化財調査委員会に委託して行い、本報告書では、29ケ寺、43行事についての報告を掲載しました。寺院で行われる行事には、純粋な宗教的行事だけではなく、地域社会に密接に結びついた民俗行事と言えるものがあります。そのような行事は寺院の檀家のみにとどまらず広く一般の市民の方が参加され、住民同士や住民と寺院との交流の場となっています。」
地元にいてもあまり知られていない行事がたくさんありますね。市民に広く知ってもらうという目的のため、通常の報告書より平易に書こうとしています。金沢検定の勉強にもなりそうです。
富山藩天保の飢饉留記 付 関係御触書等 桂新書8
富山市日本海文化研究所紀要第6号 戦国期上杉支城の復原研究 富山県小矢部川左岸地域における中世山城とその性格
編集:富山市教育委員会、富山市日本海文化研究所
発行:富山市教育委員会、富山市日本海文化研究所
発行日:1993年3月31日
ページ数:95P
定価:不明 800円?
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今回の論文は、越後上杉氏の支城であった今泉城(富山市)と小矢部川左岸地域の中世山城について、をテーマとされたものであります。掲載論文からは、改めて城郭研究における実地調査という基礎作業の重要性を感じることができ、また従来の文献中心の方法とは、違った視点での研究を促すものと思われます。」
富山県内の城をテーマに2論文掲載されています。いずれも興味深い内容です。紀要第2号と第4号にも論文が掲載されているそうですが、そちらも興味あります。
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加賀の俳人 河合見風
著者:藏角利幸
出版社:桂書房
発行日:1998年6月
ページ数:641P
定価:8,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「見風の後裔で、見風資料の継承者である人物と縁戚となったことがきっかけで見風研究にのめり込むようになった著者の長年の成果をまとめた一冊。見風とその時代を解説するとともに、資料編として代表的な句集の翻刻も付けた。
見風の研究書には、すでに津幡町四十周年の記念として中田風来氏を中心に編集された「郷土の俳人 河合見風」(津幡町刊 平成六年)がる。この書は、津幡町あげて見風を顕彰したもので大きな成果を得たものであるが、このたびの藏角氏の著書では、それを含みこんでさらに緻密なものになっている。たとえば当時の歴史的状況を述べたり、また見風と親交のあった前田土佐守直躬の事蹟や、それに京都の公卿冷泉為村との交流など、委曲をつくして述べられている点などがそれである。」
石川県河北郡津幡町の郷土の俳人「河合見風」研究の集大成とも言える大書です。
伝統芸能加賀万歳 町尽しと歩く記
発行:小川三朗
発行日:1997年6月
ページ数:180P
定価:私家本
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「町尽しに触発されてこれを案内人にして、流して歩くところと、その界隈の町々の由来や伝話などを聞いてみることにした。金沢に、戦災を免れたお陰で、先達の郷土史家が残してくれた資料がたくさんあるので、これらを見ると金沢の昔のことがよく分かる。町尽しはときどき、横を見てとか、すごすごとあとに見て通り過ぎているが、廻った所で足を止め、昔のことを望遠鏡でゆっくりと眺める百万石各駅停車巡りになった。」
実に面白い!藩政期の金沢に興味のある方であれば、伝統芸能の加賀万歳で人気ある曲である「町尽し」に登場する町名や坂、寺などは、一度は曲のとおりにめぐってみたいという衝動に駆られるであろう。それを実現した筆者による解説は一緒に町を歩いているようでとても楽しかった。
高遠城跡ガイドブック 高遠城跡この城をもっと知ろう
監修:笹本正治
発行:伊那市教育委員会
発行日:2006年3月30日初版、2010年6月30日第2版
ページ数:114P
定価:1,200円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「本書は、史跡高遠城跡整備実施計画策定にあたり、高遠城跡を学びたい人が学習し、史跡を案内するボランティア等の皆様にも手引きとしてご活用いただける本として、史跡整備実施計画策定委員の皆様に企画いただき、また各専門分野から高遠城の歴史、建造物、遺構、植物、散策ルートについてご執筆いただきました。」
高遠城のガイドブックで、A5サイズで持ち歩きやすい。小さいからといって侮ってはいけない。地元の熱心なガイド達による編集内容は、高遠城とその城下町を歩くには必要十分な内容であり、歩く前に購入するほうのがよいだろう。おすすめです。
高遠町歴史博物館で購入できます。
戦国城下町一乗谷を歩く 発掘調査と環境整備のあゆみ
出版社:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
発行日:2011年7月15日
ページ数:95P
定価:1,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今年、一乗谷朝倉氏遺跡は、昭和46年(1971)7月に国の特別史跡に指定されて40年、遺跡内の庭園群が平成3年(1991)5月に特別名勝に指定されて20年を迎えました。また、本館も昭和56年(1981)8月の開館から30年となるという節目の年です。今回の特別展は、このタイトルが示す通り、40年の取り組みを振り返り、指定以前の写真等の資料も参考に、この間の変化や、その時々の成果、そして広い範囲に展開する戦国期の城下町の様子を再確認していただくことを目的としたものです。」
中世考古学の窓を開いたパイオニアである一乗谷朝倉氏遺跡の40年に渡る発掘調査のあゆみがよくわかります。地域ごとの調査成果が簡潔にまとめられているので、散策ガイドにもなります。