編集・発行:安土城考古博物館
発行日:1994年3月31日
ページ数:63P+8P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「当館では開館の記念行事の一つとして、平成4年11月15日に滋賀県安土城郭調査研究所とともに、活動テーマの一つである「織田信長と安土城」に関する公開シンポジウムを開催致しました。建築・考古・哲学・文献といった学会各分野の第一人者をお招きし、幅広い視点から安土城や信長の実像に迫る興味深い諸先生方の研究成果を披露していただきました。そこで、このシンポジウムの内容を広く皆様に知っていただくために、当日の記録を一冊の本にまとめました。」
古書で最近入手したものですが、開館記念の講演・シンポジウム内容をまとめたもので、一般販売されたものではないようです。当時の発掘調査の様子が掲載されていますが、貴重な写真も含まれているようです。といっても調査開始から二十年を経過し、安土城発掘調査の成果が各種本として出版されている現在では珍しいものはないかもしれません。一度比較してみないといけませんね。
カテゴリー: 郷土史
美濃古戦記史考 六古記原文とその注釈
発行:瑞浪市郷土史研究会
発行日:1969年5月
ページ数:251P
著者:渡辺俊典
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「美濃国の歴史・事件・秘話などを記録して後世の人々に伝えようとして掛かれた古事や軍記・見聞記などの類は、東濃地方だけにでも十指に余るものが残っている。これらの多くは江戸時代に書かれ、この時代の武士や旧家などに伝承され、時のよってはさらに愛好者によって写本もされ、民間における歴史本として代々伝えられ、明治まで大切に読まれ受け継がれて来たものである。しかしこれらは、やや物語り的な要素が多く、その上人名、年号などの混同や明白な矛盾、全くの誤り書きと思われる部分などもあって、地方史の史料としてやはり信憑性には欠けるものである。しかし、それはそれとして、だからこれらの古事類は、全く無意味なものだと言うことにはならないと信じている。本書は、いくつもの不正確さを所々にもっているこれらの古事類を、あえて『美濃古戦記史考』としてまとめ、広く一読願うことを考えたもので東濃地方に残るこれらの古事の集録書でもある。」
いわゆる第二級史料とされる戦記の類を東濃地方に関係するものに限り、活字化して収録したものであるが、単に活字化したのみでなく、該当の城跡や寺院の項では写真が掲載されている。貴重書である。
平成14年度秋季特別展 小松と前田家
編集・発行:小松市立博物館
発行日:2002年10月5日
ページ数:45P
定価:1,500円(税込5%)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「NHK大河ドラマ『利家とまつ』の放送に伴い、小松と前田家との関わりを集積し、紹介する特別展を企画しました。小松の人々と前田家との関わりは、浅井畷の戦いにはじまります。関ヶ原の戦いの前哨戦として、当時の小松城主丹羽長重と金沢城主前田利長が一戦交えたのがこの戦いです。その後、加賀は前田家の領土となり、三代前田利常により小松城や今に残る町並みが整えられることになります。本展では、前田家のなかでもかかわりの深い二代利長、三代利常、この二人にスポットをあて、小松と前田家の関わりと、現在も残る事績をたどります。」
平成14年10月5日から11月24日まで開催された企画展ですが、今年開催中の企画展「利常と小松城」でも四章、五章を中心に実物を見ることができます。意外に多くの遺物が残っているのですね。
平成21年度企画展 千葉市の戦国時代城館跡
編集・発行:千葉市立郷土博物館
発行日:2009年11月25日
ページ数:90P
定価:500円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「展示のテーマは、近頃市民の関心が高い戦国時代としました。千葉市内におきましてもここ二十年あまりの間に、開発などに伴う数多くの発掘調査が行われ、戦国時代の遺構や遺物が多数発見されております。さらに近年、戦国時代の考古学を初めとして、文献史学や城郭研究などの分野においても新たな研究が展開されております。今回の展示では、このような調査研究の進展をうけ、市内の中世の城郭を中心とする遺跡に光をあてました。本展では、これまで市民の皆様の目に触れる機会の少なかった遺跡の出土資料が展示の核となっております。」
千葉市の市史編纂40周年を記念して、企画展にあわせ編集された冊子。千葉市の中世城館の縄張り図(現在地図に重ねて表示)、発掘調査の遺物などがフルカラーで掲載されている。おすすめ!
千葉市図録販売ページ
岐阜の山城 ベスト50を歩く
出版社:サンライズ出版
発行日:2010年3月
ページ数:294P
編集:三宅唯美、中井均
定価:1,800円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
「三大山城のひとつ岩村城、織田信長が天下統一の拠点とした岐阜城、天下分け目の舞台となった関ケ原の戦いで小早川秀秋の陣地となった松尾山城など、50の山城とともに平城17城を紹介。縄張り図とアクセス地図付き。」
「近江の山城」「静岡の山城」に続く「山城ベスト50を歩く」シリーズの3冊目です。この本の特徴はなんといってもアクセス方法が詳しく書かれていることと、実際に山城を歩くときの見どころが書かれていることです。最近はよく掲載されるようになった縄張り図が載せられていることもポイントが高いです。
大坂城 名城をゆく3 小学館101ビジュアル新書
出版社:小学館
発行日:2010年4月
ページ数:190P
編集:小学館「名城をゆく」編集部
定価:1,100円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「豊臣秀吉によって築かれた天下一の名城・大坂城。その見どころのほか、歴史を動かした人物や合戦、城下町を紹介する。地元出身の作家・経済評論家、堺屋太一が城への思いを綴った文章なども収録。城内・周辺地図付き。」
以前同社から発売された「週刊名城をゆく」から4年。目次構成は前書を踏襲しているが、内容は新書版となって非常に充実している。ポケットサイズで城内・城下散策には欠かせない一冊となっている。発行間隔が長いのが待ち遠しくなる。
京都国立博物館所蔵能装束展
発行:金沢能楽美術館
発行日:2010年4月17日
ページ数:8P
定価:200円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
金沢能楽美術館で2010年春季特別展(4月17日~5月30日)の図録です。今回の展示内容には能面も含まれるのですが、図録には能装束のみ掲載されています。加賀前田家所蔵の「黄地唐花文様綴綿半切」が最も大きく取り上げられています。図録は装束の色がきれいに出ていますが、実物はまた違いますよ。
讃岐の古城跡と豪族たち/細川頼之と讃岐 草創シリーズ2
編集・発行:草創の会
発行日:2008年7月
ページ数:155P
定価:1,400円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「日本一小さな香川県に古城跡が四〇〇カ所を超えます。その多くは山城ですが、古代に築かれた朝鮮式山城に始まり、中世に地域支配の拠点とした豪族たちの屋形から、群雄が覇を競った戦国乱世の城塞、幕藩体制が定まった後の民政を目的とした城と城下町造り。築城には、その時代を物語る背景が歴然として姿を現します。この、歴史そのものの、さまざまな形態の城跡が、狭い県土にギッシリと詰まった様は、まさに”城跡見本市”そのもので、各城跡には氏族の興亡の歴史、秘話が加わります。」
B5版でそこそこ大きいのにフルカラーページで非常に読みやすいです。それは城研究の専門家が書いたものではないということと、城跡の散策記であることによります。書店に並ぶ本ではないので入手方法は限られるものの、香川県の城跡の散策には非常に参考になります。
新視点・山寺から山城へ -近江の戦国時代- 第4回山寺サミット
高知城石垣野外博覧会
編集・発行:高知県文化財団埋蔵文化財センター
発行日:2007年3月
ページ数:23P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「このパンフレットは、平成16年度・17年度に史跡高知城三ノ丸の石垣改修についてわかりやすくまとめたもので、石垣の調査現場前にもパネルとして掲示しています。発掘調査で分かったことや高石垣(城石垣)のあれこれについていろいろな点から説明していますので、石垣を理解するための参考にしていただければ幸いです。」
発掘調査で積み直された石垣の写真がたくさん掲載されています。といっても専門書ではなく、一般向けの本です。古書として入手しましたが、どういう経路で入手できるものなのかわかりません。