出版社:松江今井書店
発行日:1967年11月初版、1998年6月新装版
ページ数:134P
著者:河井忠親
定価:1,700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
関ケ原の合戦後、月山富田城に入った堀尾吉晴は、新時代へ向けて軍事・政治・経済・交通の要地を求めた。築城の過程から城下町の誕生まで、松江城のすべてを著した1967年刊の新装版。松江城の歴史と成り立ちを知りたい方にはおすすめです!
投稿者: Tadashi
八王子城 みる・きく・あるく 改訂新版
出版社:揺籃社
発行日:1989年12月初版、2001年12月改訂新版
ページ数:79P
著者:峰岸純夫、椚國男、近藤創
定価:700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「かつて、城は城兵が殺されたり降参したりすることで落城はしても、城跡は歴史の語り部として残された。しかし今日の破壊は、城が築かれた城もろとも消し去ってしまう。まさに完全な『落城』である。幸いにも、八王子城は国指定史跡として保存され、多くの見学者の利用に供されており、関東の城跡のなかでも私の好きな城の一つであり、しばしば登っている。
本書は、八王子城を愛するさまざまな分野の人々による、これから八王子城へ登ろうとする人々へのガイドブックである。私たちは自ら楽しみながらこのガイドブックを作ることによって、八王子城落城四百年記念に参加した。
その後、十二年余の歳月が過ぎた。その間に八王子城・高尾山の地下を貫く圏央道のトンネル開穿工事が進み、再び八王子城の危機が迫っている。この時に当り、本書のを装い改めて新版をつくることとなった。」
とあるように、八王子城に関する論文と散策のためのガイドブックです。初版から数本記事がプラスされています。散策に関する5つのコースは参考になります。
松任城と一向一揆 一揆の雄 城主鏑木氏を探る
出版社:北国新聞社
発行日:1988年11月
ページ数:203P
著者:鏑木悠紀夫
定価:1,600円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
「本書を書くに至った動機は、たまたま私の先祖が一向一揆の中にあって中心的役割を演じた松任城主鏑木氏であると伝えられ、先祖の歴史をまとめたいという全く私的理由によるのである。七尾城を手中にし、加賀に進攻してきた上杉謙信の前に一揆勢は殆ど屈したが、その中にあってただ一人最後まで抵抗し、遂に和睦に持ち込んだ松任城主鏑木頼信は一揆側の中心的存在として活躍し、一向一揆の滅亡と運命を共にした人物である。その頼信に代表される松任城主三代にわたる鏑木氏は滅亡後、石動山天平寺の流れをくむ寺の僧になり、神官も兼ねて明治に及んだと云われている。」
とはじめに書いてあるが、松任城と鏑木氏に関して詳細にまとめられている。松任城という歴史上あまり脚光を浴びなかった城と城主に関してまとめたものとしては面白い。これは自分が地元石川県出身ということも大いに関連あるが、松任城は一向一揆の歴史の中でも重要な場所であり、一向一揆を語る上では外せない。
テーマのマイナーさ故か、現在非常に入手が困難な状態であるのが残念である。加賀一向一揆を語る際はぜひ読んでほしい1冊である。
久保田城ものがたり
出版社:無明舎出版
発行日:1989年12月初版
ページ数:217P
著者:渡部景一
定価:1,300円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「はじめて秋田市の土を踏んだ人々は、広小路から見える外堀の青い水面と、その向うの黒い森に、しみじみとした感興をおぼえるという。この青い堀と黒い森は、秋田藩佐竹氏の久保田城跡である。蓮の浮かぶ広い水面を見ながらいく道は、昭和62年に建設省が選定した『日本の道一〇〇選』のなかのひとつにも選ばれた懐旧の道でもある。」
「佐竹氏と久保田城」ほか佐竹氏や久保田城に関する書籍を数々執筆している著者が、前書の不足な部分を、新しい史料と発想によって徹底的に書き直したものです。久保田城の歴史から構成、現在の公園の散策ポイントなどをまとめています。久保田城に訪れるときはガイドブックとして利用できます。
葛西城とその周辺 葛飾区郷土と天文の博物館地域史フォーラム
多摩丘陵の古城址
出版社:有峰書店新社
発行日:1985年7月初版、2000年7月新装版
ページ数:317P
著者:田中祥彦
定価:2,500円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
「歴史に関心をもったのを縁として、自分がいま生活している多摩丘陵の古城址を、自分なりに記録にとどめておこうとしたのが本書である。本書が手がかりとなって、一人でも中世の古城址に理解と関心を示す人が出てきたとしたら、私の意図するところが達成されたことになるのである。」
と著者が述べている通り、専門家書いた書籍ではない。そのため、文書の語尾は確定的な物言いは避けるように書かれているため抵抗を感じる方もあろうが、縄張図、復元イラストも豊富で近くを散策する際には手軽な参考書となろう。現在入手が困難なのが残念。
城のつくり方図典
出版社:小学館
発行日:2005年3月初版
ページ数:255P
著者:三浦正幸
定価:2,800円+税
オススメ度:★★★★★
書評:
城地の選び方、石垣・天守・御殿などの築き方から、城下町のつくり方まで、「城をつくる」すべてがわかるまさに城郭の基礎知識辞典の決定版。写真や図版も豊富に使用され(ということから書名が「図典」となっているようだ)、パラパラと何気なく眺めているだけでも楽しみます。城に興味のある方はまず座右に備えておきたい1冊です。初心者・中級者にはおすすめです。
反面、コンパクトによくまとめられているため、上級者には物足りなさが残るかもしれない。城郭の紹介書籍ではありませんし、「城のつくり方」と名がつけられていますが建築書とも異なります。
戦国武田の城 武田戦略と城砦群の全貌
出版社:有峰書店新社
発行日:1988年4月初版
ページ数:415P
著者:中田正光
定価:1,800円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
城郭図50余、歴史要図40余をもとに、山梨・長野・群馬・静岡・愛知各県にわたった武田氏三代の合戦と城塞群を捉え、初めて武田流築城法を解明した画期的な労作。
武田信虎、信玄、勝頼と三代に渡る歴史を辿りながら、歴史に登場する城郭を実地検分もしながら書き進めている。歴史的人物の生涯と城郭、つながっているのに本書のようにまとめているものが少ないのは、その検証と執筆がいかに難しいのかを物語っている。という意味でも貴重な1冊である。武田氏に興味のある方は欲しい1冊である。発行部数が少ないのか古書でも入手が難しいのが残念である。
実証日本の城
出版社:北國新聞社
発行日:1995年5月初版
ページ数:227P
著者:塩照夫
定価:2,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
本書は、朝鮮と日本との古代の城文化関係から日本の城について検証した意欲作です。
次の問題点解決が著者の本書出版動機として挙げられています。
(1)なぜ西日本側に朝鮮系の山城、日本海側に朝鮮系神社が多いのだろう。
(2)なぜ城のある山は、<仏の山>といわれるのだろう。
(3)なぜ城の石垣の上に松が植樹されているのだろう。
(4)なぜ初め山城の築城が多かったのだろう。石垣の築造はいつ頃からだろう。
(5)なぜ城文化とともに鉄文化、馬文化が朝鮮から入ってきたのだろう。