出版社:吉川弘文館
発行日:2005年3月初版
ページ数:896P+索引・年表77P
編者:峰岸純夫、片桐昭彦
定価:8,000円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
本事典はm享徳の乱(1454~1482年)から島原の乱(1637~1638年)に至る期間を対象にしている。その間の国史大辞典編集委員会編「国史大辞典」に掲載されている関係項目を選定して「戦国武将編」は武将の没年順、「武家系譜編」は五十音順、「合戦編」は発生年順に配列し、巻頭では総説によって戦国時代を概観している。なお、「戦国武将編」では、武将のみではなくその縁辺に活躍した文人・芸能者・僧侶なども必要に応じて掲載した。また、付録として、「年表」「在世年表」「人名・事項索引」を掲げている。「国史大辞典」に掲載されている肖像・花押・印章・合戦屏風・系図などは数多く収録して、戦国武将の風貌に接することが出来るようにし、合戦屏風はカラー版にして合戦のイメージを実感しやすくしている。
国史大辞典全15巻はとても手が出ないという人も、戦国時代に限定すればこれ一冊でカバーできるというのはよい。内容は辞書であるので、各解説も簡潔ではあるが、一冊机上に揃えてパラパラながめていると、意外な発見があるかもしれない。
投稿者: Tadashi
戦国逸話事典
出版社:新人物往来社
発行日:1989年1月初版
ページ数:357P
編者:逸話研究会
定価:4,800円+税
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
逸話には、その時代の人々の生きた声や姿が点描されており、隠れた話や埋もれた話の中に、人々の本音が浮かび出ている。逸話の面白さと魅力が、そこにある。戦国時代の部将たちや庶民が、乱世の中で、どんな人生の奇跡をたどったのか。避け難い人間葛藤、生きていくうえでの信条、日々の哀歓がつづられており、その断面を見ることができる。勝ちと負け、成功と失敗、表と裏など、さまざまな人間模様がある。歴史の流れと関連させながら、どの項目からでも読み出せるように構成した。そこには簡潔ながら今日にも通じる人生教訓が含まれている。
応仁の乱前後から徳川家康による江戸幕府確立期の慶長年間までを対象に、原点の文意に忠実に従い、脚色を排除している。基本的に原点(名将言行録、信長公記など)の抜粋であるので、解説はありません。
城-その美と構成-
日本名城伝 新装版 文春文庫
日本百名城 歴史と伝統を歩くガイドブック 朝日文庫
日本の名城がわかる本
日本の名城 東日本編 学研M文庫
日本の名城 西日本編 学研M文庫
武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新 新潮新書
出版社:新潮社
発行日:2003年4月初版
ページ数:223P
著者:磯田通史
定価:680円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。国史研究史上、初めての発見と言ってよい。タイム・カプセルを開けてみれば、金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題・・・・など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て経験ずみだった!活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。
発売された当時、地元金沢ではとても話題なった本です。古文書を現代に当てはめて解釈し紹介するという視点が珍しい。
広島市の文化財 第20集 山城
発行日:1982年2月初版
ページ数:43P+写真+縄張り図面
発行:広島市教育委員会(社会教育部社会教育課)
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
収録城郭:広島市内の山城跡150城
書評:
広島市教育委員会では、昭和49年度から8ヵ年をかけて、市内に点在する中世山城の所在と遺構確認のための資料調査・実地踏査を続けてきました。その結果、150ちかい山城跡が存在していることが判明しました。このうち、数件については、破壊されたり自然破壊によって、すでに形をとどめないものもあります。
本報告書は、山城の地名表とそれに合わせて城郭跡の概略をまとめたものです。昨今、郷土史研究が盛んになるにつれて、これら山城への関心も高まっており、各々の城がどのような歴史的背景のもとに栄え、消えていったのか、また、庶民とのかかわりはどうであったのかなどについては、今後、各方面での調査、研究が待たれます。
広島市の山城を研究するには第一級資料ですが、古本としても入手は非常に困難です。