発行日:1999年11月初版
ページ数:237P
編者:林信男
定価:2,100円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
高松城址保興会の副会長で、長年高松城の水攻めに取り組んでいる編者が集大成としてまとめたのが本書である。巻頭の1985年の洪水時の写真を見ると、水攻めは歴史的真実だと思わずにいられない。自費出版のようなので入手が困難かもしれません。
投稿者: Tadashi
中世出羽の領主と城館 奥羽史研究叢書2
出版社:高志書院
発行日:2002年2月初版
ページ数:318P
編者:伊藤清郎、山口博之
定価:3,800円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書の課題と視点を明らかにしておこう。第1に、出羽という地域は、辺境にあたるとともに、北方性を兼ね備えた地域である。北日本そして北アジアから見る日本史を展開するに格好の場といえよう。さらに太平洋中心史観ともいうべき観点を批判できる素材が多く存在する地域でもある。第2に、日本海海運そして最上川・雄物川・米代川などの舟運、さらに羽州大道など陸路を手がかりにして見る歴史である。東アジア世界との関連も視野に入ってこよう。第1、第2を通じて、一国民の歴史から脱却をはかるステップになれば幸いと考える。第3に、第1、第2と深く関連するのであるが、発掘によって出土した遺物・遺構などモノや情報から探る歴史である。この3点を念頭に置きながら、『領主と城館』に焦点をすえて、以下順に論を展開していく。」
中世出羽国に関する論文集であり、内容は専門的である。
勝沼氏館跡調査概報Ⅲ 外郭部及び周辺地域の遺構確認調査
発行日:1978年3月初版
ページ数:33P
発行:山梨県教育委員会
編集:勝沼氏館跡調査団
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
「昭和48年の歳晩より進めて参りました勝沼氏館跡の発掘調査もすでに5年目の春を迎え、ここに調査概報第3集を発刊する運びとなりました。このたびの報告は、とくに外郭部を中心におこないました調査の結果を集録したものであります。これによって前回までの調査内容をさらに明確にし、また遺跡の貴重な性格等を探ることができ、勝沼氏館跡の日本の中世文化遺産としての価値を実証する裏付けを示すものであります。」
本書は、第7次の外郭部および周辺地域の発掘調査を主とする。
史跡勝沼氏館跡
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勝沼氏館跡調査概報Ⅱ
発行日:1977年3月初版
ページ数:27P
発行:山梨県教育委員会
編集:勝沼氏館跡調査団
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
「昭和50年3月、勝沼氏館跡調査概報が発刊されました。これによって、関係者、町県民各位には館跡の状況や価値についてご理解をいただいたことと思います。調査はその後も引続き行われ、主として館跡内郭部西側地区(D区)の発掘調査を進めておりましたが、ここに一応これをまとめて概報第2集として発刊することになりました。」
本書は、第5次・第6次のD区の発掘調査を主とする。
史跡勝沼氏館跡
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勝沼氏館跡調査概報
発行日:1975年3月初版
ページ数:27P
発行:山梨県教育委員会
編集:勝沼氏館跡調査団
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
「昭和48年12月から行った勝沼氏館跡の発掘調査の概報を発刊する運びとなりました。本遺跡は古来文献・口碑等で勝沼氏館跡として云い伝えられて来た中世館跡であります。第4次までの調査により土塁・堀・建物礎石等の遺跡、陶磁器・土師質土器・鉄器等の遺物を検出した。かえりみて中世館跡の発掘調査は全国的に数少なく本県では最初の試みであります。調査はなお継続中でありますが、今後もまた多くの歴史的に貴重な発見が予想され、また、同時に文化遺産として保存活用の方途を講じていきたいと考えております。」
本書は、第1次から第4次までの発掘調査の概報を主としています。
史跡勝沼氏館跡
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増刊乱TWINS 戦国武将列伝 其之十六
月刊歴史読本2007年6月号 徳川300藩藩主系譜全伝
発行元:新人物往来社
発行日:2007年4月発行
ページ数:448P
定価:1090円(税込5%)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
月刊歴史読本2007年6月号。江戸時代の300藩の藩主に関する特集号。全藩主の名前がまとめられているが、特集ワイド1、特集ワイド2、特集企画の順で記事スペースが減ってくる。特集ワイド1の藩に関してはそこそこの詳しさである。
月刊歴史読本ホームページ
信州上田軍記
信州史ノート 戦国大名と信濃の合戦
出版社:一草社出版
発行日:2005年3月初版
ページ数:242P
著者:笹本正治
定価:1,600円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「山梨県では、何かあるごとに武田信玄のことが語られます。年配の人たちが今でも『信玄公』と尊敬の念をこめて呼ぶように、信玄に対する山梨県に抱くイメージの大きな部分にも、武田信玄が含まれているようです。信玄は元亀4年(1573)に亡くなっていますから、もう四百三十年も前の人です。甲斐国に生きた人々は、武田信玄のみではなかったのにもかかわらず、なぜ武田信玄だけがこんなに特別な扱いを受けるのでしょうか。新潟県に行くと、山梨県の武田信玄の場合と同じように、上杉謙信が別格の歴史的偉人とされます。」
本書は、2002年4月3日から2003年8月6日まで産経新聞に連載した原稿を加筆修正したものです。イラストは著者の当時高校1年生だった娘さんの手によるものということですが、なかなか上手です。
当時の連載記事原稿であるため文章は読みやすい。なぜ、山梨・新潟・長野で特定の人物が別格扱いになったのか、その歴史的経緯から読み解こうとしている。
城郭と中世の東国
出版社:高志書院
発行日:2005年11月初版
ページ数:362P
編者:千葉城郭研究会
定価:5,200円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は千葉城郭研究会の二十周年を総括した論文集である。この二十年は、中世東国史研究の飛躍的進展があり、城館研究にも大きな発展がみられた。新たな史料の発見と従来の研究の見直しが相次ぎ、それにともない中世史全体の底上げが図られたのである。城館も、多様な歴史資料の一つとしてようやく研究の対象と認知され、いまや城郭史学として、独立した研究分野をも形成しつつある。」
執筆している方は千葉県を中心に城郭研究をフィールドワークとしている方々なので、内容が専門的ではあるが、房総の城郭に興味のある方、城郭研究の最前線に触れたい方にはお勧めしたい。