今日は昨日の雨もあがり良い日となりました。昨年日本百名城スタンプラリーで訪れた福井県の一乗谷朝倉氏遺跡はとても気になる場所の発掘調査中でしたので、本日の現地説明会は参加する予定でいましたが、先日新聞報道されたことでたくさんの人出が予想されます。
まずは早めに到着して入口の資料館で情報収集です。新聞報道の遺物は資料館ではなく、現地説明会で見ることができるということでした。
第124次(すごい数ですね)となる今年度の発掘調査は、上城戸から朝倉館跡までの発掘空白地帯の城下町調査として諏訪館跡の下段の平端部(もと水田)の調査でした。一乗谷は水田に作りかえられたとき、厚く土を盛って開墾されたために、遺跡が良好に残っている可能性があるそうです。
もともと親族や近親者の館跡に近い区画であったので、上級武士の館跡が発見されることを期待して始まった調査ですが、結果は予想を裏切るもので、新聞報道にもあった刀装具の鋳型や炉跡などが見つかり、朝倉氏直属の職人集団の住居地があったと推定されるそうです。
刀装具の鋳型 鍔(つば)
刀装具の鋳型 目貫(めぬき)
硯(すずり) 裏面には建物や松竹などが描かれている
本日の説明会には新聞報道の影響もあって、例年50名ほどの参加なのが、130名を越える参加者が集まりました。新聞報道のわりには少ないかなと思うが、担当者は少し戸惑い気味で、2班にわけて説明することとなった。
遺構も井戸や、道路、礎石、石敷建物、埋甕土坑(越前甕を埋めた穴)、暗渠、炉跡、土塁跡など見どころの多いものでした。
井戸遺構 2m以上の深い井戸が3つもありました
道路遺構
暗渠遺構 溝に石で蓋をした遺構です
炉跡遺構 石敷の中央に炉?らしき遺物が残る
土塁遺構 下1段の石塁が残るのみで上段は水田整備で削られている
土塁遺構では事前の注意があったにもかかわらず、別班の1名が出土した石塁を崩すハプニングもありましたが(大切な遺構ですから石一つでも位置をずらすのは文化財破壊行為ですので皆さんは気をつけてくださいね)、天候もよく写真もたくさん撮りました。欲を言えば、前日の雨で石敷遺構が水没していたのが残念でした。
説明会のあと、朝倉館跡などを見学しました。館跡の後方斜面は平成17年度の集中豪雨被害の跡がまだ残っていました。資料館の人によると、後方の一乗谷城跡への3本のルートのうち、2本も集中豪雨により通行止めとなっている模様です(登れるのは下城戸近くからのもっとも緩いルートのみ)。以前から何度もここへは訪れていますが、一度山城跡へ登ってみたいです。先の新聞報道では福井県は一乗谷城跡のある山を地権者から買い取って、史跡整備を始めるということで楽しみなことが多い朝倉氏遺跡です。
今日はスタンプラリーを開催していたので、資料館と復元町並を見学して、最後にいっぷく亭で抹茶をいただき、景品の絵葉書をいただいてきました。