加賀八家や重臣の子孫の手元に残る古文書や絵図を自分たちで研究調査する「加賀藩・歴史文化護持協力会」の設立総会が金沢歌劇座別館で27日開かれた。旧大名家の遺産を受け継ぐ団体は少なくないが、旧家臣団の子孫が協力して組織は全国的にも非常に珍しい。
当日は、前田家18代当主前田利祐氏も出席され、会長の横山家、副会長の村井家、他に前田土佐守家、本多家、長家のご当主が参加されていた。残念ながら、奥村本家、奥村支家、前田対馬家は所用のため参加されていなかったが、一堂に会する様子は昔なら庶民は拝めもしまい。
座談会でもここで初めて聞く話も多く、披露したいところではあるが、調査途中や私的なことでもあるのでここで書くのは控えたい。しかし、非常に興味深い話がたくさん聞けた。
今年のテーマは不破家菩提寺から出てきた古文書研究のようだ。利家の府中時代に関するもので、少し内容には触れていたが、調査が終了し発表になるまで楽しみに待っていてほしい。これは今までの通説を覆す発見になるでしょう。
座談会に続く講演会は金沢城調査研究所の木越隆三氏による「複合城下町金沢」というテーマ。加賀藩は100万石という大藩だけあって、本多家の5万石を筆頭に、八家はすべて1万石以上、他にも1万石を越える藩士が常時10家以上あったというから驚く。1万石といえば大名クラスである。初代利家の五男であった前田利孝が封じられた七日市藩も1万石である。
そういう大録の家臣が多かったので、各家臣が小城下町を金沢城周辺に形成して、それの集合体としての金沢城の城下町を形成していたから、その複雑さは江戸に匹敵するそうだ。このポイントが今回再提案された世界遺産の押しでもある。
10分前に着いたにもかかわらず資料は切れており、椅子も補充された。あれだけ新聞報道されれば関心ある人は来るでしょう、と思ったけれどそれは主催者の読み間違い以外の何者でもない。一般市民の協賛会員の募集に郵便振替用紙も配られていたけど、初年度15,000円(入会金10,000円、年会費5,000円)は予想の範囲内だけど安くはない。後日資料を送付で入手できることになったのでそれから考えたい。