秋晴れの今日、金沢の奥座敷と言われる湯涌温泉に行ってきました。金沢近郊に長年住んでいながら湯涌へ行くのは初めてです。ずっと行ってみたい理由があったので念願の訪問でした。
まず、温泉郷の入口近くにあった旧江戸村から移設された茅葺き農家群を見学しました。現在3棟建っており、昨年オープンしたばかりです。まだまだ整備の途中であり、計画では茅葺き住宅がさらに3軒ほど建つそうです。興味は便所だったのですが、農家の高田家は昔ながらのものでしたが、名主の野本家は便所の戸を開くと最新の洋式トイレがあってがっかりしました。
それから洋風建造物として有名で、石川県重要文化財でもあった白雲楼ホテル跡へ向かいました。破産後廃墟となった話は時々地元新聞で読んでしましたが、現在はそのほとんどが取り壊されていました。湯涌温泉唯一の高台にあったこのホテルからの眺望はさぞかし良いものだったでしょう。
破産まで白雲楼ホテル敷地内にあった氷室ですが、現在は金沢湯涌夢二館や総湯のある場所の裏手の高台にある薬師堂の脇に移築されていました、というより新築でしょうか。現在の氷室の中には発砲スチロールの箱が数箱、中には雪があるのか?ないのか?藩政期には氷室に保存された雪を殿様に献上したそうですが、現在でも6月1日に行事が行われ、ニュースでよく見ます。
氷室を見たあと、真昼間から総湯に入ってきました。湯涌の湯は注がれた瞬間は白濁していて、しばらくすると透明になるようです。このあたりから総湯の名称である「白鷺の湯」が来ているでしょうか?なかなか雰囲気のある湯ですね。
実は、今回の目的は旧江戸村に金沢城玉泉院丸の塀が移築されたという話を聞いていたので、まだあるのかなと思っていたのですが、江戸村の場所が分からなかったのです。総湯の番台で白雲楼ホテルの更に上だということを聞いて、最後に行ってきました。
旧江戸村では現在の茅葺き農家群の移築に向けた作業が進んでいました。雨ざらしの環境は閉園してから10数年経って廃墟と化していましたが、茅葺き建物だけは外観もしっかりとしていました。さすがです。残念ながら金沢城から移築されたという塀はないようでした。
今回、旧江戸村の場所をGoogleマップで下調べしていたのですが、実はその場所が白雲楼ホテルだったことを後から気づきました。航空写真でも白雲楼ホテルの建物が見えますので、すでに数年前の写真だとわかります。その場所からさらに山頂に移動するとポツポツと建物が残る場所が見えます。そこが旧江戸村です。Googleマップで間違いを見つけてしまった瞬間でした。