二曲城跡発掘調査現地説明会

本日二曲城(ふとげじょう)跡で今年度の発掘調査現地説明会が午前と午後の2回開催されました。私は午後の部に参加してきました。告知が急だったのと、あまり多くに告知されなかったので、参加者は少なかったですが、その分ゆっくりと見学し説明が聞けました。
二曲城跡は平成16年度から5ヵ年計画で発掘調査が進められています。最初の2年は一の郭、続く2年は二の郭を中心の調査です。本年度は4年目となります。
二曲城跡発掘調査現地説明会 二曲城跡発掘調査現地説明会
二曲城跡発掘調査現地説明会 二曲城跡発掘調査現地説明会
出土物は少なく、石臼や青磁・白磁などの陶磁器のかけらが出ていますが、鳥越城跡に比べても圧倒的に数が少ないということで、一時的な詰の城の役割しかなかったと推測されます。また、今回も戦闘の形跡は出てきませんでした。
二曲城跡発掘調査現地説明会
今年度の最大の目玉は一の郭の南側下の郭の石垣の発見です。大きさもマチマチな石積みは中世の山城という感じ一杯ですが、単なる土塁の土留めの役割でしょうか。破却の痕が認められるため2段程度しか出ていませんが、石垣の下にはさらに1メートル以上の空堀跡も発見され、堀最下部からは相当の高さとなり、詰の城の形態を見せてくれます。
二曲城跡発掘調査現地説明会
昨年に続く二の郭では昨年度半分見つかっていた掘立柱建物跡の残り部分が確認され、4×2間の規模です。
他には、二の郭から一の郭への道を探すためのトレンチもしましたが、今回も道の発見には至りませんでした。現在一応の登山道はありますが、復元に向けては本来の道の発見があるのが望ましく、仮に獣道のような登山道では、破却された二曲城では発見が難しいかもしれません。