金沢城探訪会 鶴丸倉庫

「100年後の国宝を作ろう」というキャンペーンの一環で開催された金沢城探訪会の抽選に当たったので、本日悪天候ながら参加してきました。
初めに、旧第六旅団司令部跡(どこかと思っていたら金沢城兼六園事務局の斜め前の建物でした。)で、金沢城調査研究所所長の北垣聰一郎氏によって、「穴太の系譜 -金沢城と熊本城-」というテーマで講演がありました。40名の抽選だったはずなのに、最初から椅子が40名分用意されていないという狭い会場の中、時折大雨で聞こえにくい状況でした。
穴太の系譜 -金沢城と熊本城-
北垣氏の講演は、所長になって初めてです。穴太の歴史や伝承文献について話がありましたが、伝承文献の残る金沢と熊本で石垣の勾配の計算方法について異なる考え方をしていながら、実は結果は全く同じになるという不思議な一致が見られることがわかり、このことは後日調査結果として何かまとめられると思われます。
講演会の後の見学会は鶴丸倉庫です。鶴丸倉庫は海鼠壁でないため、最近まで軍隊が建築したものと考えられてきましたが、前田育徳会で保存している文献で江戸末期の絵図に描かれているなどの発見により一躍脚光を浴び、重要文化財指定に向けて動いている最中です。
初めて中に入りましたが、今でも倉庫代わりに利用されているようです。
金沢城探訪会 鶴丸倉庫
江戸末期の建築とはいえ、軍隊の駐屯により一部改造の跡が残っています。1階東側と2階東側には1箇所ずつ壁に非常口が開けられています。
金沢城探訪会 鶴丸倉庫
金沢城探訪会 鶴丸倉庫
さらに、2階への階段開口部には通常3方をめぐるはずの高欄がなぜか2方しかなく、
金沢城探訪会 鶴丸倉庫
2階の一部には荷物の昇降に使われたと思われる穴があります。
金沢城探訪会 鶴丸倉庫
いろいろと不思議な点が残る鶴丸倉庫ですが、さらに解明を進めて金沢城の見どころの1つになればいいと思います。