金沢城公園の宮守(いもり)堀の段階復元に向け、石川県が金沢市広坂2丁目で実施している発掘調査で21日までに、宮守堀南岸ののり面が確認された、昨年秋に付近2カ所で同様の遺構が見つかっており、南岸のラインが江戸後期の絵図通りと確認できた。今回見つかった部分の勾配は約30-40度であることも分かり、宮守堀全体を復元する際の大きな手掛かりとなる。
発掘調査は金沢市中央消防署広坂出張所跡地で行われた。約50平方メートルの範囲で最大約3メートル掘った結果、1907年に埋められたとみられる堀の南岸部分が確認された。これまで江戸後期の絵図から推測されていた通り、宮守堀の南岸が約300メートルに渡り真っすぐ走っていたことが、今回と昨年の3カ所での発掘結果から裏付けられた。
宮守堀については、これまでの調査の結果、北岸から南岸まで幅約40メートルで、深さ10メートル以上、北岸の勾配は焼く25-30度だったことが分かっている。今回の調査でこれまで不明だった南岸の勾配が判明し、金沢城調査研究所は「宮守堀の全体像に、だいぶ迫ってきた」としている。(北國新聞2007年9月22日付記事)