京都府宇治市の宇治川右岸で、豊臣秀吉が16世紀末、伏見城築城に伴い前田利家らに造らせた「太閤堤」の一部とみられる大規模な護岸跡が見つかり、宇治市歴史資料館が5日発表した。マンション建設に伴い、6月から宇治川の右岸約千三百平方メートルを調査していた。
護岸は江戸時代後期に度重なる洪水で埋没したらしく、これまで存在が分らなかった。護岸の石やくいも約四百年前の姿のままで発見された。表面には宇治川上流の岩が積み上げられ、斜面の下には護岸の崩落を防ぐため直径約20センチの松くい約三百本が打ち込まれていた。斜面や上部の平たんな面には割石が張られていた。(北國新聞2007年9月6日付記事)