金沢市埋蔵文化財センターは24日までに、金沢市上辰巳町で、辰巳用水の隧道(トンネル)と並行して走る水路の一部を発見した。これまで絵図や文献では存在が分からなかった「謎の水路」で、専門家からは、辰巳用水の隧道が崩れた際に緊急的に水を通した「バイパス」の可能性があるとの見方も出ているが、現時点でははっきりしない。辰巳用水の知られざる歴史を示す発見の可能性もあり、市埋蔵文化財センターは全容解明を急ぐ。
辰巳用水は犀川上流で取水し、小立野台地を通過して分水しながら兼六園など城下町を潤す全長10キロの用水。寛永大火をきっかけに三代藩主前田利家が、小松の町人板屋兵四郎に命じて築城したとされる。(北國新聞2007年8月25日付記事)