京都市中京区の二条城で国の重要文化財に指定されている本丸御殿4棟のうち2棟が、震度6強以上の地震で倒壊する恐れがあることが市の調査でわかった。市は春と秋に実施している特別公開を今秋から中止し、本格的な調査に入る。再開には5年以上かかる見込み。本丸御殿以外は通常通り見学できる。
調査は国の補助事業で、市が京都工芸繊維大に委託して昨夏から今春まで実施。本丸御殿の玄関(重文)と御書院(同)のほか、二の丸御殿大広間(国宝)と東大手門(重文)の計4棟を調べた。
この結果、本丸御殿玄関の瓦屋根の重量が1平方メートル当たり約120キロと推定され、耐震性が不足していることが判明。御書院も同様に瓦屋根が重過ぎることがわかった。いずれも江戸末期に建てられ、明治初期に改修、移築された。
また、震度6強以上で二の丸御殿大広間は損傷する危険性があるとされ、東大手門は土塀倒壊の恐れがあるとされた。