県庁跡地に接する宮守堀は今年度から実施設計に取り掛かる。これまでに堀の北側の位置や形状、規模などは判明しているが、南側は現在、大部分が歩道になっており、昨年度の調査で部分的に位置を確認した程度となっている。今夏に移転を予定する広坂出張所付近では、まとまった範囲で南側の調査が可能となるため、県は当時の堀の形状を確認した上で、水堀化に向けた工法や整備範囲、湛水計画の検討に入る。
一方、河北門の復元では、「二の門」は石垣の最下部を支える根石を生かしながら、石垣を積む工法を採用する。ただ、在来工法では地盤の強度に課題が残るため、石垣内部に杭を設置して石垣上の櫓を支えることとした。杭は外側からは見えず、石垣内部も在来工法に近いものになる。櫓の構造については、県側は建築基準法の条件を満たすため、床と天井の梁をつなぐ中柱を六本設置する案を示したが、観光客が櫓下をくぐる際、中柱が見える可能性もあることから、柱を隠すため本数を追加するなどの検討を加えることとした。
このほか、「一の門」の門の高さは、現存する石川門や一部復元した橋爪門を参考に約四メートルとする。県は今秋から復元工事に着手し、今年度は「二の門」の石垣積み上げ作業を進め、2009年度末の完成を目指す。