高岡市の前田利長墓所詳細調査事業協力者会議は27日、同市役所で開かれ、地中レーダー探査の結果、墓所を囲む堀の内側に別の堀が存在したことを推定させる痕跡が見つかったことが報告された。
現在の堀は明治時代には存在していたが、築造年ははっきりしておらず、同市役所教育委員会は堀の整備の変遷をうかがわせる資料として新年度に発掘調査を行い、解明を進める。高岡市は新年度に報告書をとりまとめ、2008年度に金沢市と共同で国史跡指定を申請する方針である。
利長墓所は現在、約67メートル四方の堀に囲まれているが、レーダー探査では、その内側に約50メートル四方の堀の跡とみられる土層の違いが確認された。墓の周りには土塁跡があることが分かっており、市教育委員会は土塁との境界に堀が造られた可能性があるとしている。利長墓所の堀については、金沢市玉川図書館近世史料館が所蔵する江戸後期の絵図では2つの堀が描かれ、内堀と外堀があったとされている。ただ、大きさや築造年など詳しいことが分かっていない。(北國新聞 2007年3月27日付記事)