石川県埋蔵文化財センターは30日、戦国期の七尾城跡から出土したるつぼに、金に銀や銅を混ぜた合金が付着していたと発表した。るつぼは金属を溶かすために使用された土製の容器で、金の溶解に使用されたるつぼの発表は全国で六例目。戦国期の城下町からの出土品では初めてとなる。
同センターでは、七尾城を居城としていた戦国期の大名、能登畠山氏が城下町に職人を集め、金の精製から加工を行っていた可能性を示す貴重な資料としている。
るつぼは出土した場所は、竪穴状の遺構や鉄を加工した際の破片が見つかっていることなどから、七尾城下の鍛冶工房群だったと見られる。今回の発掘では、るつぼとともに、金箔や金箔を張った板、刀装具や具足の一部が見つかっており、同センターではこれらの出土品に合金を使用した可能性があるとしている。
(北國新聞2006年5月31日付記事より)