まだ高裁判決ですが、松下電器産業が「一太郎」を発売しているジャストシステムを特許侵害で訴えた訴訟の判決が出ました。
訴訟棄却(ジャストシステム側の勝訴)
争点
1.一太郎にあるヘルプモードなどは、特許の「アイコン」に当たるか
2.一太郎などを製造、販売することは特許侵害に当たるか
3.松下側は特許権を特許権を行使できるか
結論
1.松下側の主張を認める
2.松下側の主張を認める
3.ジャスト社側は控訴審で新たに提出した英語の刊行物により、松下の特許出願前から機能説明表示のアイコンは周知の技術だったと認定。特許には進歩性がなく、特許無効審判で無効とされるべきもので、松下は特許権を行使できない
松下側の特許侵害には当たるが、そもそも特許自体に効力なし、という判決でした。確かに、初めに提訴されたときに、今では当り前の技術について特許が成立していたことに驚いたが、判決もそういう内容になった。現状に影響されている部分もあるのだろうが、海外(おそらく現状もよく使用されるメーカーだと思われる)の資料がジャストから出てきたことが決定的だったのだろう。
先見者の特典として特許による権利保護は当然必要あるが、松下側はなぜ今のタイミングだったのだろうか?定着してしまってからだと、事後承認みたいになってしまうのは仕方ないと思うが、あと数年早ければ、結果が違っていたのではないかと思ってしまいます。
松下側はこの訴訟によって何を得たのでしょうか。訴訟には負け(現時点では)、業界にも抑止力も働かず、消費者にも不快感を与えてしまいました。
今後は消費者として松下には、役立つ特許の開発とともに、適切な執行をお願いしたい。