平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る

今日は午後から金沢市内へ出かけました。
まずは石川県立美術館で講演会を聞きました。「加賀藩御細工所」というテーマで嶋崎館長が、御細工所の経緯や組織、職務などについて概略を分かりやすく解説をしていただきました。総じて役職の責務に対して、その報酬は低かったようです。
その後、生涯学習センターで開催されていた石川県埋蔵文化財センター恒例の今年度の発掘報告会「いしかわを掘る」に参加しました。
今年の報告は、
三日市A遺跡(野々市町)
能美古墳群(能美市)
大泊A遺跡(七尾市)
横江荘遺跡(白山市)
松波城跡庭園跡(能登町)
七尾城跡(七尾市)
の6箇所です。
到着するとちょうど後半の横江荘遺跡の報告前でした。会場には今年も多くの人が詰め掛けています。先の講演より人数多いですね。
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
今年の展示は少ないですね。大泊A遺跡と七尾城跡のパネルと七尾城跡の遺物が並べられています。
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
今年は城跡関連の現場説明会は4ヵ所(金沢城跡、七尾城跡、松波城跡、二曲城)で行われましたが、金沢城跡以外は日程の都合がつかず行くことができませんでした。そのうちの2ヵ所を聞けるとあって期待していました。
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
松波城跡では昭和37年に発見され、昭和55年に一部調査が行われた庭園跡周辺の発掘調査が行われ、礎石建物群と枯山水庭園遺構の調査成果が発表されました。来年度も引き続き調査が行われるようですが、松波城跡は本丸や大手の位置がはっきりしておらず、中長期的には遺構全体の調査が行われるようです。
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
報告の最後は、能越自動車道建設の事前調査として、平成17年度から行われている七尾城城下町の報告でした。庄津川と大谷川に挟まれた地域は、総構の外側になり、この地域では始めての調査となりますが、多くの掘立柱建物や井戸が発見されました。
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
井戸ははじめ石で覆った形で発見されることが多いようで、
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
たくさんの石が集まる部分を丁寧に取り除くと、
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
井戸が発見されることがおおいそうです。この辺りは1.5メートルほどの深さだったそうです。意外と浅い?
平成20年度発掘報告会 いしかわを掘る
井戸の中には石積みの裏などの構造を確認するために、こうやって縦割りすることもあるそうで、一度現場で見てみたい!