甲府市は9日、戦国時代の武田氏館周辺の城下町遺跡などで発掘した土器片58点に金が付着していたと発表した。金は土器の上で加熱された際に溶けて付着したとみられ、城下町で金が加工されていたことを示している。市教育委員会は、複数の金山を有し天下取りをうかがった武田家の財力や金の流通過程を探る貴重な資料になるとしている。
市によると、戦国時代の城下町遺跡で金が付着した土器片が見つかったのは、七尾市の七尾城跡で出土したのに次いで2例目。武田家の資金源の一つとされる黒川金山(山梨県甲府市)や湯之奥金山(山梨県見延町)などで採掘された金が城下町の甲府に集められ、工房で装飾品などに加工された可能性が大きい。(北國新聞2009年1月10日付記事より)