今日と明日は名古屋のイベント「『金城温古録』の歩き方」に参加します。今日は名古屋市博物館の企画展「名古屋城を記録せよ!名古屋城百科『金城温古録』の誕生」の解説講座、明日は名古屋城の散策と特別展「失われた国宝 名古屋城本丸御殿」に参加します。2010年の名古屋開府400年に向けて、名古屋城本丸御殿復元や名古屋城検定など、城好きには嬉しい企画が満載の名古屋ですね。
午後からということで少し早めに着いたので、常設展とちょうど開催中であった古書市を見ました。博物館の一角で開催されていた古書市はスペースも狭く、蔵書も少なめでしたが、歴史ものや古地図、和書などを中心に販売されており、思いがけない掘り出し物が見つかりました。
解説講座は展示室ではなく、展示説明室で行われました。解説を聞いた後に展示を見学しましたが、着目点がはっきりしたあとでとても楽しめました。
注目は何と言っても5メートル四方もある「元禄10年御城絵図」です。最近名古屋城関係の書籍にはよく掲載される古絵図なんですが、大きすぎてA4程度に縮小された写真では何が書いてあるのかわかりません。現物は逢左文庫の所蔵ですが、大きすぎて今まで一般公開されたことがありません。門外不出の大絵図を見る最後のチャンス!?かもしれませんよ。
女性には「御城御庭絵図」がおすすめです。二の丸庭園の四季の花木がすべて描かれているのですが、これも現物はかなりの大きさで、何とも華やかな絵図です。
他にもたくさんの絵図や指図の展示があり、さらに、「名古屋城から富士山が見えるのか?」という検証コーナーもあり、まさに名古屋城尽くしの楽しい企画展です。入場料が300円、図録が700円、図録を買っても1000円で楽しめますので、お近くの方も、遠方の方も興味ある方はぜひ10月5日までにぜひご自身の目で確認してください。
それで名古屋城から富士山は見えるの?ってことですが、これも会場で確かめてくださいね!
名古屋駅に着いたときに観光案内所で市内の地図ももらってきました。最近は地図を手にするとまず城跡を探します。観光マップであれば1つぐらい城跡がかいてあることが多いですからね。名古屋城が大きく紹介されているので、他にないかなと思いましたが、東山周辺地図に「城山公園末森城跡」と書かれています。
展示会のあと、早速現地(城山八幡宮)に向かいました。市街地にこんもりとした森の入口に鳥居が見えます。ここが入口かと思い入りましたが、あとで違う事がわかりました。
さて、上り坂をのぼっていくと、道の左右がともに大きく窪み、明らかな空堀の跡だとわかります。ここですでにすごい城跡の予感がひしひしと・・・
本殿の建つ平地は本丸跡かと思いましたが・・・
本殿のまわりにも深い空堀がめぐります。
戻り道で境内の地図を発見。どうもここの平地が本丸跡のようです。近くに石碑もあります。空堀は二重にめぐっています。最初に見た両側の堀は内堀と外堀だったのです!すばらしいです。
石碑も向こうに見えるのは二の丸跡です。
二の丸跡には現在昭和塾堂が建っており、愛知学院大学に貸与されているそうです。
本丸跡から階段を下りて赤い橋を渡ります。鳥居の高さを見るとかなりの高位差があることがわかります。
この赤い橋も実は空堀にかかっているのです。
実に見どころいっぱいの末森城でしたが、一の鳥居の前に教育委員会の立て札がありましたので最後に確認です。末森城は織田信長の父、信秀が古渡城(春の名古屋城検定のあと見に行きました)から移った場所で、その死後、三男信行が城主になった城です。柴田勝家も信行方で嫡子信長と争った話は有名ですが、信行が信長の病気見舞いで騙し討ちされたあと廃城になりました。
平城の名古屋城の近くで、こんな良好な平山城を見ることができるとは・・・満足な1日でした。