金沢城大学 歴史・文化コース第10回「金沢城発掘最前線」

第10回「金沢城発掘最前線」
金沢城研究調査室の滝川氏による平成18年度の金沢城の3つの発掘調査の発表でした。うち2つは実際に現地発表会にも参加していたのですが、発表者が違うことや座って聞けたので再認識した部分もありました。
金沢城は宝暦と文化に2度の大火にあっているのですが、本丸はその度に大火の痕跡を消すために盛り土がされているということで、城の破却時のみならず、大火のときも土をかぶせて隠すという行為を行っていたということが分かりました。
閉講式
講義終了後に閉講式がありました。金沢城研究調査室長の木越氏による閉講のあいさつがあり、「国立大学並みの倍率を超えて」という冗談もありましたが、ぜひ来年も機会に恵まれれば受講したいものです。修了証書は式のなかでは代表者1名に手渡されましたが、70名の受講者のうち55名が修了証書を手にしました(10回の講座のうち7回の受講で修了)。ちなみに皆勤賞はありませんでした。
修了証書

金沢城大学 歴史・文化コース第5回 「辰巳櫓と三階櫓」

金沢城研究調査室の正見氏による建築的見地からの辰巳櫓と三階櫓の絵図に関する話でした。とても興味深い内容でしたが、再建についての希望という点では、辰巳櫓はかなり正確な外観をつかめますが、三階櫓は不明な部分も多いですね。
三階櫓は再建の話はありませんが、これは本丸が森林になっていることも影響しています。辰巳櫓は景観上重要な場所にあるので、今後再建の話が盛り上がってくるものと思いますが、再建にはまず本丸の石垣を元通り復元するという作業が必要なようです。現在3段になっている石垣ですが、旧陸軍が駐屯中に崩れた石垣の面と合わせるために今の状態に変更されたということで、今となってはヒドイ話です。ということは話が進まないような気がして残念です。
辰巳櫓と三階櫓

城と庭の魅力コース 第2回講座「金沢城の城郭建築物」

金沢城の城郭建築物
金沢城の建築物に関する公開講座を受けてきました。土曜日の午後ということで早めに入りましたが、予想に反して少なかったですね。去年も同じような講義をしたようで、その辺りが人数に影響したのかもしれません。
講義内容ですが、建築物をどう見るかというポイントに関してでしたが、ポイントが絞られているようでそうでない部分もあり残念でした。金沢城は宝暦と文化に2回大火に見舞われ都度再建されているのですが、それぞれの残っている絵図について、石川櫓、河北櫓の意匠に関して似ているという説明があり、興味深いものでした。
ちなみに金沢城の明治以前の遺構は以下4件です。
○尾崎神社(金沢東照宮) 寛永20年(1643)
○石川門 天明8年(1788)
○鶴丸倉庫 弘化5年(1848)
○三十間長屋 安政5年(1858)

歴史・文化コース第4回 兼六園史の新しい見方

兼六園史の新しい見方
金沢城研究 第4号」に「兼六園とはどこのことか」という論文を投稿された長山直治氏の講演です。
現在、岡山「後楽園」、水戸「偕楽園」とともに日本3名園に数えられる兼六園ですが、明治までは今とまったく違った姿だったことを知りました。現在の後楽園には田んぼがありますが、兼六園にも一時期は田んぼや畑があったことがあり、地元の人間でもこの事実をどれだけの人が知っているでしょうか。
明治四年(1870)年に一般公開されたときは「与楽園」と名付けられ、一月ほどで「兼六園」と改称されているそうです。ちなみに与楽園とは、「ともに園(苑)を楽しむ」という意味で偕楽園と同義だそうです。トリビアですよコレ!!

金沢城大学 第3回「宝暦・文化の大火と城の再建」

金沢城大学
金沢城は大火によって、政務の中核だった二の丸御殿を何度か再建しています。宝暦の大火(1759年)と文化の大火(1808年)の2回ですが、その後の再建段階を追っていくと加賀藩の財政の状態や城下町の様子がよく分かるそうです。そして、天守閣を失った本丸の機能はこの頃には完全に停止していて、二の丸に至る三御門、つまり、石川門、河北門、橋爪門が関としての重要な意味を持ってくるのです。
石川県では、現在河北門の復元を進めています。将来的には橋爪門も復元して、最終的な目標である二の丸御殿の復元につなげたいのですが、三御門と言っても、石川門・河北門と橋爪門とでは格に違いがあります。石川門と河北門は三ノ丸に入る門、ここで従者は半分になり、橋爪門から二の丸に入るという具合です。将来的にはぜひこの辺りが分かるように復元してほしいものです。

金沢城大学公開講座 大名庭園シンポジウム

金沢城大学公開講座 大名庭園シンポジウム 金沢城大学公開講座 大名庭園シンポジウム
金沢城大学は歴史・文化コースのほかに、「城と庭の魅力コース」があります。こちらは今年は3回開催され、すべて公開講座となります。
第1回は大名庭園民間交流事業金沢大会として開催される「大名庭園シンポジウム」が公開講座となりました。東京農業大学の進士五十八教授の「大名庭園から学ぶもの」というテーマで講演があり、その後、各大名庭園の代表による庭園の紹介(というより自慢大会?)がありました。

金沢城大学 歴史・文化コース

兼六園広坂休憩館 金沢城大学
いしかわ県民大学校の教養講座となっている『平成18年度 城と庭の探究講座「金沢城大学」』の歴史・文化コースが始まりました。9月初めに募集があり、当選はがきが届きました。2月まで10回の内容ですが、平日昼の開催とあって年配の方が大半でした。今回4年目の開催とあって、顔見知りの方も多いようです。今年は金沢城の歴史を5回から3回に減らしたようですが、どんな話が聞けるのか楽しみです。
歴史・文化コース
1.初期の金沢城と草創期の藩政
2.江戸中期の藩政と金沢城
3.宝暦・文化の大火と城の再建
4.兼六園史の新しい見方
5.二ノ丸御殿の魅力
6.辰巳櫓と三階櫓
7.戸室石切丁場と石引道
8.石垣整備調査研究会(公開講座)
9.加賀藩の時刻制度と時鐘
10.金沢城発掘最前線
p.s.後日談ですが、当初申し込みは143名あり、うち70名が当選したようです。抽選方法はわかりませんが、2分の1の確率に当たったわけですね。