セミナーが終了してからはライトアップまで少し時間がありましたので、金沢能楽美術館へ行きました。正月に加賀万歳を見に来てから2度目となりますが、先週から展示も替わっていますので、また年間パスポートに活躍してもらいました。
今期の展示は「加賀宝生の名品」というテーマで能装束を中心に展示がありました。展示室自体は広くはないので、設置してあった能楽美術館解説書で、加賀藩と能楽の関係についてしばし勉強し、さらに小ホールでビデオを見ました。
まずは「加賀宝生の歴史を訪ねる」という10分のビデオでしたが、わかりやすくまとまっており、金沢検定にも役立つものだと思いました。次に「能楽(高砂)」を見ました。県内の結婚式でよく謳われる「高砂」の節がこの能楽の一部だったとは初めて知りましたが、能自体は全く意味が分からず仕舞。
カテゴリー: 金沢城下散策
城下町金沢の文化遺産群と文化的景観セミナー
午後は、めざそう!世界遺産「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」セミナーに参加しました。初めての北國新聞赤羽ホール(交流ホール)でしたが、演台は一段高いものの、聴衆席は平面で、木の椅子でおしりが痛くなりました。大金かけたわりには部屋や備品がいまいちです。
一昨日の電話は定員オーバーのため、椅子の数を追加する算段のためだったようで、150名の定員以上の参加者でした。
世界遺産の文化審議会委員であった佐藤氏の講演を聞くと、城下町金沢の世界遺産登録への道のりは険しそうですね。最も、世界遺産をめざすために、様々なイベントや発掘調査や史跡登録が進められていますから、それによって地元市民が地元を見つめ直す機会に恵まれていることが本当の成果なのだということも分かりましたが。
金沢市文化財課が行なった今年度の発掘調査である、辰巳用水三段用水、土清水塩硝蔵跡、升形遺構についてスライドによる紹介がありましたが、金沢市は石川県のように発掘調査報告書の販売もありませんし、現場説明会も一般に告知することもしないので、この辺は改善してほしいです。
最後の質問では、辰巳用水の例の建設問題が出て、歯切れの悪い回答とともに時間切れとなってしまいましたが、今日の話を聞けば、この件だけでも世界遺産から遠くなるような気が・・・
徳田秋聲記念館 企画展「秋聲の本で辿る 大正・昭和のモダンブックデザイン」
今日の最後は徳田秋聲記念館です。現在は企画展「秋聲の本で辿る 大正・昭和のモダンブックデザイン」の前期展と「文士の年賀状」の展示をしています。
今回の展示は、一昨年秋声のご子孫から蔵書を寄贈してもらったことから企画されたものであり、貴重な初版本の装丁を見る事ができます。
しかしながら、ここでも文学にあまり興味のない自分は、同時開催の「文士の年賀状」のほうに興味を引かれることに・・・
秋声と交流のあった当時の著名文学者たちの年賀状は、一言でいえば質素。裏返していえば味気ない。ほとんどが「謹賀新年」と住所氏名のみ。時代を反映しているのか、自分も来年は・・・いやいや逆に心配されそうだな。
泉鏡花記念館 企画展「幽霊と怪談の展覧会」前期
三件目は泉鏡花記念館です。金沢三文豪の記念館はそれぞれ生家跡またはその近くに建てられていますが、ここは生家跡のようです。
なにしろ文学はあまり興味ある分野ではないので、初めて訪れましたが、面白かったですね。と言っても自分で読んでいる時間は今はないので、過去に映像化されたものなどを見てみたいと思いました。
この展覧会は15日までが前期展、来月7日から後期展が始まります。後期展では金沢出身の漫画家である波津彬子さんの原画が展示されるそうですよ。
歴史都市金沢 電柱地中化工事
歴史都市として第一号に認定された金沢ですが、その施策のひとつとして、近江町市場のある武蔵が辻では電柱の地中化工事が近江町の再開発工事と一緒に進められています。
周辺の電柱には「無電柱化を進めています。この電柱は平成21年3月までになくなります。」の張り紙が貼られています。電柱がなくなると景観もよく、歩道は歩きやすくなりますが、電柱に止まっていた鳥たちはどこに止まることになるのでしょうか?
金沢ふるさと偉人館 企画展「自画像展」
二件目は金沢ふるさと偉人館です。「自画像展」ということだったのですが、市内の小中学校の生徒の自画像でした。あれ?って感じでしたが、初めて来たので通常展を見ることにします。
昨年春にリニューアルされて、偉人の数は17人に増えました。外から見ているとそんなに広く見えないのですが、思いのほか広いです。
高峰譲吉、桜井錠二、藤井健次郎、木村栄、三宅雪嶺、八田與一、飯盛里安、谷口吉郎、藤岡作太郎、西田幾多郎、鈴木大拙、井上友一、山本良吉、安宅彌吉、北方心泉、細野燕台、中西悟堂の17人なのですが、その道の通でないと知らない方もいますね。
展示を見ながら一つ発見がありました。細野燕台は魯山人とも交流があったことで知られていますが、この「燕台」と言う名前、町の形がツバメが翼を広げたようだという、元は中国北京を指す言葉だったそうですが、金沢も小立野台地から見ると、犀川と浅野川に挟まれた中心部分を体として、北国街道沿いに広がる町が羽となって、やはりツバメに見えるということでその銘を使っているのだそうで、古地図を広げればなるほどと思う次第です。
金沢市立中村記念美術館 冬季展「美術工芸に見る 文様の美」
雨模様の土曜日ですが、今週は予定もないので金沢の美術館・博物館めぐりです。今日も年間パスポートが大活躍です。
一件目は石川県立図書館裏にある中村記念美術館です。今回は冬季展「美術工芸に見る 文様の美」を鑑賞しました。中でも「祇園祭礼図屏風」は京の祇園祭の山鉾巡行を描いた屏風で、制作期は江戸後期のものですが、祭りに熱狂する人々が繊細に描かれています。他には、新しいものながら「竹取物語絵巻」がすばらしいものでした。
美術館前の古建築はいつも何かなと思いながら前を通っていましたが、ここは中村美術館の創設者である中村酒造の中村栄俊氏が私設美術館を始めた場所であるそうです。知らなかったなあ。
金沢市立安江金箔工芸館 冬季展「”めでたいもの”尽くし」
先日年間パスポートを購入したことですし、金沢駅前に来ましたので昼休みに安江金箔工芸館に行ってきました。初めて行って来ましたが、場所がわかりにくいですね。
平日の昼とあって、他のお客さんも居なかったのでゆっくりと鑑賞しました。2階が展示室となっており、冬季展「”めでたいもの”尽くし」の展示品を見た後、1階の受付横の部屋で金箔の製造工程に関する説明を受けました。
説明の後、別の部屋で金箔入りのお茶と和菓子をいただき、金箔の製造工程の一部を見せていただきました。金箔に関する日頃の疑問について話を聞きました。
金沢箔は日本でシェア99%、とは本のタイトルにもなっている有名な話ではありますが、
残り1%は何処だろうか?・・・
と思いませんか。
現在は金沢近郊でも個人宅で金箔製造をしているところはほとんどないそうで、金沢サティ近くの箔団地に集まって作業をしているそうですが、一時金沢で箔打ちを学んだ人が滋賀や富山で製造をしていたことがあるそうです。それが1%なんだそうで、将来的に県外で製造する可能性が全くないわけではないので99%ということらしいです。確かに100%とは言いにくいですね。金箔打ちに使用する雁皮紙の製造は胸を張って100%と言えるそうです。最近は市販紙(これは1回の使い捨て)を使用することも多いようですが。
近世は幕府直轄事業として江戸と京でしか認められていなかった金箔製造ですが、現在は隠れて製造していた加賀でのみ製造しているとは皮肉なものです。金箔製造はかなりの重労働であったので、忍耐のある北陸人に合っていたことも一因のようです。
充実した鑑賞でしたがお金を使っていないのが少し気が引けます。年間パスポート有難う!
前田土佐守家資料館 武家文書展
今日は前田土佐守家資料館で昨日から始まった企画展「武家文書展」の解説講座に参加しました。毎回参加したい気持ちはあるのですが、他の日程と重なることも多く、ままなりません。
今回は、その収蔵品の7割が古文書であるといわれる中からのテーマ展です。ちなみに「古文書」は「こぶんしょ」ではなく、「こもんじょ」です。今回の企画展も「ぶけもんじょてん」ですよ。
大学の講義の「古文書学」は文字史料が残っている時代を研究するそうで、文字史料の残っていない弥生時代以前は「考古学」の独壇場なのだとか。
解説講座は展示品解説(講座のあとに展示室で開催)が中心ではなく、古文書の種類や見方を簡単に教えてもらいました。古文書の価値は書いてある内容も去ることですが、和紙の大きさや厚さがそもそも違うそうです。実際触れないのが残念ですが。見方を教えてもらうと楽しみが増えますね。
実際の展示は古文書だけではなく、花押の印章も展示されています。和紙の大きさに合わせて5つの大きさの印で一式となっており、花押の枠のみが押されます。内側は墨で丁寧に塗りつぶすそうで、その作業は意外ですね。
外に出るとまた大雪です。ちょうど資料館前に、最近開通しました長町ルートのフラットバスが来ました。
最後に、「古文書」の反対語を知っていますか?答えは「現用文書」だそうです。それは古文書が「その時代における役割を終えたもの」という意味があるからだそうで、逆は現在も役割を終えてないものということになります。
金沢市指定民俗無形文化財 加賀万歳(かがまんざい)
北陸特有の重い空です。今日は昼から出かけて無料開放中の兼六園にやってきました。初売りや初詣の人が兼六園にもたくさん流れているようです。
兼六園を出ようかという時に大粒のあられが降ってきました。今日は帰るまでに2回あられが降ってくるという冬らしい天候でした。
今日の目的の第一は、金沢能楽美術館で開催される「加賀万歳」です。美術館も今日は無料公開です。初めて入りましたが、公演会場は3階の研修室ということでした。
演目の始めは「式三番叟(しきさんばそう)」。一番初めに必ず演じられ、館の永久と主人の長寿を祝うものだそうです。
2番目の演目は「町尽くし(まちづくし)」。金沢の町や寺社の名前を唄い込んでおり、金沢城周辺から、金沢の中心街、金沢駅周辺へと今ではなくなってしまった町名を含む数多くの町を巡るもので、今年の北國総研のふるさと講座でも話題のひとつとなるものですが、橋なども出てきましたね。
3番目の演目は「北国下道中」。加賀藩が参勤交代のときの道中を唄いあげたもので、北陸道・中山道を通り江戸に至るまでの道中の名所名物を軽快にたどっていくもので、12泊の宿場が出てきました。
アンコールで最後に「百人一首」が演じられました。
今回初めて本物の加賀万歳を見ましたが、非常に楽しいものでした。万歳というだけに合間に小話の掛け合いなどもあり、こんなに面白いものであれば来年も見に行こうと思いました。
今日は3箇所の初詣に行きました。
尾山神社は大勢の参拝客であふれていました。
近くの尾崎神社は人もまばらでした。
学問の神を祀る金沢神社は列が長かったので諦めました。
今日は尾山神社でおみくじを1つ買いました。